抗生物質の発見
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人類の菌による感染症に打ち勝つために、制圧するための抗生物質が発見されました。古典的な抗生物質としては、有名なものに「ペニシリン」があります。結核の治療薬として開発されました。ちなみに、「抗生」の意味は、生命に拮抗するという意味で、病原体の生命である細胞に拮抗して(作用して)病原体を死滅させることです。抗生物質でも、細菌を死滅させるタイプ、細菌の増殖を抑えるタイプがあります。
これから、記事の中で「抗生物質」について説明するときは前者の方を指しますよ。細菌を死滅させるタイプには、β-ラクタム系、アミノグリコシド系薬、グリコペプチド系薬、ニューキノロン薬系、環状ポリペプチドがあります。β‐ラクタム系は、数ある抗菌薬の中でも、まず一番目に使用が検討される抗生物質。細胞壁のペプチドグリカン鎖の架橋形成を阻害し、溶菌させます。
耐性菌の出現
抗生物質の発見による医学の発展への貢献は多大なものでした。しかしながら、抗生物質に対して耐性をもつものが現れたのです。それが耐性菌になります。これまで説明してきた抗生物質が効かないというクライシスを迎えるのです。しかしながら、そんな耐性菌にも打ち勝てるものがあります。バクテリオファージです。バクテリオファージは、細菌に寄生するウイルスですよ。細胞を食べてくれます。バクテリオファージが細菌内で増殖し、内部から細菌を溶かしてくれますが、安心はできません。もしも多剤耐性菌に感染してしまったら、治療の困難を極めることになります。
滅菌と消毒について
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巷にだいぶ出回ってきた衛生観念。滅菌、殺菌、消毒、除菌などの意味がわかりますか。それぞれの違いをおさえていきましょう。コトバンクを参考にして説明いたします。まず、滅菌について説明しますよ。滅菌とは、ある場所に存在するあらゆる微生物を完全に不活化するまたは取り除くことです。方法は乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を使用しますよ。また殺菌は、病原性や有害性を有する糸状菌、細菌などの微生物を死滅させる操作のことですよ。滅菌と違って具体的な程度は定義されておらず、効果は保証されないので、言葉の使い分けには注意しましょうね。
消毒は、病原微生物による危険性がほとんどなくなる程度にまで微生物を不活化することですよ。除菌は、細菌を取り除くこと、有害な菌を取り除くことですね。
身近にある消毒薬
消毒薬には様々なものが身近にあふれてきましたね。消毒薬はその効果によって高水準、中水準、低水準の3つのレベルに分けられます。その中でも中水準について説明していきますよ。中水準の消毒可能な微生物は、一般細菌、真菌、エンベロープウイルス(エンベロープとは膜のようなもの。)ノンエンベロープウイルスでも効果はありますが、前者に比べたら効果は小さいです。アルコール系は、エタノール、イソプロピルアルコールなどがありますよ。フェノール系には、クレゾールがありますよ。ハロゲン系には、ポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム(ラボや医療現場での通称「じあ」)がありますよ。一般的に、次亜塩素酸ナトリウムは、結核菌にも有効と言われていますよ。ノンエンベロープウイルス(ノロウイルスなど)にも効果はありますが、手指消毒には向かないようですね。
手指消毒用にヒアルロン酸など肌を保護してくれる成分が配合されているものを選ぶといいですね。
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