物理理科電磁気学・光学・天文学

5分でわかるファンデルワールス力!分子間の相互作用とは?理系大学院卒ライターがわかりやすく解説

分子間力とは

分子間力とは、分子間に働く引力です。分子間力には、ファンデルワールス力と水素結合がありファンデルワールス力は、3種の相互作用により互いに引力を発生させています。

水素結合は、水(H2O)や、フッ化水素(HF)、アンモニア(NH3)等、OH基やNH基などを持つ電子陰性度の高い原子に水素が共有結合ことで発生するのです。それぞれの結合は極性を持ちδ+とδ-の間で引力が生じます。この分子間力はファンデルワールス力と水素結合により成り立っていますね。

分子間の結合の種類と強さは

では、結合の種類はどのようなものがあるのでしょうか。それは、化学結合である共有結合、イオン結合、金属結合です。それに加えて分子間の結合である水素結合とファンデルワールス力があります。共有結合は、ダイヤモンド等イオン結合は塩化ナトリウム等です。金属結合は、鉄や銅、金など金属全般がそれにあたります。

さて、これらの結合の強さはどのような順番なのでしょうか。結合の強さは、共有結合>イオン結合>金属結合>水素結合>ファンデルワールス力の順番です。ファンデルワールス力は最も弱い結合になります。

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ファンデルワールス力は最も弱い結合なんだ。もともとは無極性分子であっても瞬間的に極性を持ちその瞬間にクーロン力が働くんだぞ。これにより、相互作用力が発生するんだ。では、ファンデルワールス力の強さは何によって決まるのだろうか。その点を解説してもらおう。

環境によるファンデルワールス力の強さの違い

ファンデルワールス力は、大別するとクーロン力です。そのため、電荷の大きさや分子間の距離によってその力は変わります。では、その関係を見ていきましょう。

分子間の距離の違い

ファンデルワールス力は、分子間の距離が近づくほど強くなります。ファンデルワールス力の3つの成分のポテンシャルエネルギーはその種類によって異なっているのです。配向相互作用は距離の3乗に反比例し、誘起相互作用と分散力相互作用は距離の6乗に反比例します。また、イオン結合の距離の影響は、距離の1乗に反比例です。このようにファンデルワールス力は距離の影響を強く受ける相互作用力になります。

image by Study-Z編集部

また2つの原子間の相互作用を表す経験的なモデルは、レナードジョーンズポテンシャルです。引力は距離の6乗、斥力は距離の12乗になります。

分子量の違い

電荷の大きさとは、分子の大きさ。すなわち分子量の大きさに他なりません。クーロン力は、電荷が大きくなると強くなります。分子も1つの電荷の考えると、分子量が大きいほど原子核や電子の数は増加しますね。つまり、分子量が大きくなるほど瞬間的に発生する分散力も大きくなります。そのため、分子量が大きくなるとファンデルワールス力は増加するのです。

分子の形状の違い

ファンデルワールス力は、その形状によって分子量が同じでもその力は変化します。例えば、直鎖形状の分子のほうが枝分かれしている分子よりもその力は大きいです。それは、1度に近接している分子の数によります。一般的にクーロン力は原子核を中心とし、2つの原子の中心間距離が重要です。しかし、分子のように形状が複雑になると場所により影響度は異なります。そのため、分子量が同じでもファンデルワールス力は変化してくるのです。

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ファンデルワールス力は分子間の距離と、分子量その形状によって強さが大きく異なるぞ。直線状である直鎖の分子と枝分れの分子では、分子間の距離にばらつきが出るんだ。そのため、直線状のr分子のほうが安定して力が大きいと考えれているぞ。では、ファンデルワールス力は身近では、どこで発生しているのだろうか。

身近なファンデルワールス力

では、身近にあるファンデルワールス力について見ていきましょう。

ヤモリの壁面への吸着

image by iStockphoto

あなたは、ヤモリをご存知ですか?ヤモリは、家の壁や窓に地面と垂直にくっついてます。実は、この力はファンデルワールス力です。ヤモリは、本当に弱いファンデルワールス力を利用しくっついています。ヤモリの足の構造は、非常に細かい毛がありその毛の先はさらに枝分かれしているのです。これにより、接地部における表面積の増加に伴い毛と設置物との間でファンデルワールス力が増加しています。

ヤモリの生物としてのこの能力はテクノロジーにも応用されているのです。生物をバイオミメティクスといい、ヤモリの足の表面を真似した『ヤモリテープ』がその一例になります。このように、とても弱い力でも技術の進化により生物の能力を再現できるようになってきているのです。

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