
実物を見たことがなくても写真やメディアでは度々取り上げられるから、そういったもので見たことがある人は多いことでしょう。では富士山が火山だということを知っている人はどれくらいいるでしょうか?実はあのきれいな形の山は火山活動によって作られたものなんです。特に成層火山と呼ばれる火山は美しい形になることが多く、富士山も成層火山の1つです。
今回は成層火山の特徴と、日本の成層火山について地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
大学院を地球科学専攻で卒業した地学大好き人間。出身地が鹿児島県であるため火山に囲まれて育った。趣味は岩石と鉱物の収集。
火山とは

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私達は当たり前のように地表を歩いていますが、その地下深くには高温のマグマが存在していることをご存知でしょうか?ヤカンでお湯を沸かすと、沸いたお湯が注ぎ口から溢れる様子を見たことがあると思いますが、マグマもきっかけがあれば大地を割って地上に噴出します。マグマが地上に噴出すると、噴出口の周りに吹き出されたマグマが流れて固まり、特徴的な地形を形成するのです。こうしてできるた地形が火山なんですよ。ちなみに、マグマが地表に吹き出ることを噴火と呼びます。
そして、火山はマグマの組成や粘度によって様々な種類に分けられるのです。次は火山の種類について説明していきますね。
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火山の種類

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地球の中はとても不均質にできているため、地下にあるマグマの特徴も場所によって全く違います。マグマの特徴は粘度や化学組成、温度で分けられますが、この特徴によってそのマグマが噴火したときにできる火山の種類も変わるのです。
最も粘度が大きなマグマは溶岩円頂丘(溶岩ドーム)という火山を形成します。これは、マグマの粘性が高すぎるためマグマが地表にでても流れ出ずに、塊となって火口から押し出されたものです。溶岩円頂丘は山の傾斜がきつく、細長い山に見えます。マグマの粘度が最も高いので内部に力が溜まりやすく、噴火すると大爆発を起こし多くの被害を出すそうです。北海道の昭和新山は溶岩円頂丘として有名ですよ。
マグマの粘度が中レベルだと成層火山を呼ばれる形の火山を形成します。成層火山は火山が上へ成長するスピードと、マグマが横に流れ出て直径が大きくなるスピードのバランスがいいのでとてもきれいな形の火山になるんですよ。日本で最も多いのが成層火山です。
最も粘性が低く、サラッとしているマグマからできる火山を楯状火山といいます。その名の通り、騎士がもっている盾を横にしたようななだらかな地形が特徴的です。マグマの粘性が低いため、噴火しても大爆発にはなりにくく、火山の傾斜をダラダラ流れるように噴火します。ハワイのキラウエア火山やマウナロア火山が楯状火山です。
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