「一蓮托生」
「一蓮托生」は「いちれんたくしょう」と読みます。意味は、どんな結果が待っていようと、最後まで行動や運命を共にすること。「托生」は、身を寄せて生きるという意味。「一蓮托生」は、死後も同じ蓮(はす)という花の上で生まれ変わり、共に仲良く暮らすという意味の仏教語でもあります。そのため、本来は良い意味で使われていましたが、現代では悪い結果が待っている場合に用いられるようになりました。
たとえば、大規模なプロジェクトを立ち上げたとしても、計画通り成功するとは限りません。しかし、失敗する可能性があったとしても、覚悟を決めて最後まで一緒に挑み続ける姿勢は「一蓮托生」といえます。「ここまで来たら一蓮托生だ、最後まで一緒にやり切ろう」と、鼓舞する際に使ってもいいですね。
「同じ釜の飯を食う」の対義語は?
「同じ釜の飯を食う」の意味は「親しい仲」でした。反対の意味となると「親しくない仲」となるはずです。そこで今回は、「不仲」や「合わない」という意味合いで「同じ釜の飯を食う」の対義語をみていきましょう。
「犬猿の仲」
「犬猿(けんえん)の仲」の意味は、いがみ合うほど仲が悪いこと。犬と猿は仲が悪いものの代名詞であり、仲が悪い間柄のことを「犬猿の仲」と表現するようになりました。ただし、実際には犬と猿はそこまで仲が悪いわけではないようです。なぜ「犬猿の仲」と言われるようになったかは「十二支」の順番が由来しているなど諸説あり、実は正確な語源はわかっていません。
「彼らは仲が悪い」といった感覚で、「彼らは犬猿の仲だから、会わせないほうが良い」などと使ってみてください。
「水と油」
水の上に油を垂らしても、水と油が混じり合うことはありません。そのような様子が転じて、性質や性格が正反対で、調和しないことを「水と油」と表現するようになりました。順番は関係なく、「油に水」や「油と水」という言い方でも問題ありません。「二人は水と油だから、同じチームにしない方がいい」など、互いに気が合わず、打ち解けない間柄を例えたい場合に用いるとよいでしょう。
「live under the same roof」
「同じ釜の飯を食う」と似たような英語のことわざがあれば良いのですが、「釜」を用いている時点で日本特有の表現といえます。そこで「under the same roof(同じ屋根の下で)」を用いて「live(住む)」と組み合わせることで、生活を共にした様子を表すしかありません。「live under the same roof」は「同じ屋根の下で暮らした」となり、一緒に暮らすほどの仲なので「同じ釜の飯を食う」として使うことができるでしょう。
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