
5分で分かる「横紋筋」と「平滑筋」それぞれの違いを東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説
横紋筋と平滑筋の復習

image by Study-Z編集部
それでは、これまでの内容から重要なポイントを抽出して復習しましょう。
まず横紋筋ですが、これには骨格筋と心筋が含まれています。それぞれ、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントがきれいに整列した構造を持っており、さらにZ帯と呼ばれる仕切りによって、サルコメアと呼ばれる単位に分割されていました。このZ帯が顕微鏡で見た際にちょうど横線に見えることから、横紋筋という名前がついていましたね。それぞれの筋線維の特徴として、骨格筋は強い収縮力を持つものの持久力に乏しい点、心筋は、収縮力が強く持久力もあわせ持つ点がありました。
次に平滑筋ですが、これは主に、血管の壁や内臓の壁を構成する筋線維のことを指します。アクチンフィラメントとミオシンフィラメントを含む点は骨格筋や心筋と同じですが、最大の違いは、それらがきれいに配列されていない点でした。骨格筋や心筋の収縮は、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが相互作用する「滑り説」により説明できますが、平滑筋がどのようにして収縮しているかは今のところは分かっていません。
横紋筋と平滑筋はさらに細かく区分できる
今回は横紋筋と平滑筋について、それぞれの機能や特徴について解説しました。
今回の記事では深く踏み込みませんでしたが、持久力に乏しいと解説した骨格筋の中でも、さらに持久力に乏しいタイプ2B線維というものが存在したり、持久力が比較的あるタイプ1線維と呼ばれる線維が存在したりしています。平滑筋も、単元性平滑筋と多元性平滑筋というようにさらに細かく分類することが可能です。
興味がありましたら、ぜひ詳細を自分自身で調べてみてくださいね。
イラスト使用元:いらすとや