
この「血が騒ぐ」という言葉、実はそこまで物騒な意味ではないんですよ。今回はその「血が騒ぐ」について、院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「血が騒ぐ」の意味や使い方は?

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「血が騒ぐ」という言葉、何度か見聞きしたことがある人が多いのではないでしょうか。「血」という字が物騒な雰囲気を醸し出していますが、実際はそこまで物騒な意味ではありません。まずは、「血が騒ぐ」の意味や使い方を確認していきましょう。
「血が騒ぐ」の意味は「気持ちが高ぶり落ち着いていられなくなる」
最初に、「血が騒ぐ」の意味を辞書の記述を参考に確認していきましょう。「血が騒ぐ」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。
気持ちが高ぶって、落ち着いていられなくなる。
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「◆血が騒(さわ)・ぐ」
「血が騒ぐ」は「気持ちが高ぶり落ち着いていられなくなる」という意味の慣用句です。「血」という字から物騒な意味を想像してしまいますが、そこまで物騒な意味ではありません。興奮することによって体内をめぐる血の流れが感じられるようになる様子から生まれた言葉だと考えられています。
なお、「悪い予感や不安から気が落ち着かない」という意味では使用しません。この場合は「胸が騒ぐ」という表現を使います。似ていますので混同しないように注意しましょう。
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「血が騒ぐ」の使い方を例文とともに確認!
続いて、「血が騒ぐ」の使い方を例文とともに解説していきましょう。
「血が騒ぐ」という言葉を単独で使って「興奮する」という意味を表すこともできますが、「○○としての血が騒ぐ」「○○の血が騒ぐ」という言い方で、「ある様子を見て、ある立場の人間として興奮する・やる気が出る・落ち着いていられなくなる」という意味を表すこともできます。
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