化学理科

5分でわかる「コーヒーリング効果」なぜコーヒーのシミはリング状に?元塾講師がわかりやすく解説

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乾く際の粒子の移動がポイントだったんだ。ノートにお茶をこぼして拭いたときには確かにリングができないのはこのせいか。

3.印刷技術への利用

コーヒーリング効果がどんな技術に活かされているのか気になりますよね。その1つが印刷技術です。

プリンタやコピー機を使って何かを印刷するとき、色ムラが出てしまってはきれいさが半減してしまいますよね。コーヒーリングのように印刷物の縁だけ濃くなった図やイラストを見たことがある人は少ないでしょう。それはコーヒーリング効果がなぜ起こるのか、どうしたら起こらなくなるのかという発想が活かされているからなのです。

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コーヒーリング効果によって印刷物の色がまだらになったら困るよな。コーヒーリング効果があるならそれを起こさない方法があるはずだという逆転の発想が製品開発に活かされているぞ。

3-1.インク成分の調整

image by iStockphoto

コーヒーリング効果の検証実験によって、同じコーヒーでも無糖のものはリングができる一方、砂糖を入れたコーヒーではリングができないことがわかっています。リングができるのは水滴から水が蒸発していく過程でコーヒーに含まれる粒子が縁に流れるのが理由でしたね。しかし砂糖入りのコーヒーでは滴の縁で糖が析出していることが明らかになりました。これによって滴内部の粒子が外側へ流れていくのが抑制され、結果としてリングが生じなかったというわけなのです。

これを応用し、インクの成分を調整することで砂糖入りコーヒーのようなコーヒーリング効果の抑制が可能になります。より鮮明な印刷を可能にするための技術の開発への応用がされているのです。

3-2.プリント紙の調整

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インクではなく、用紙に工夫を施すことでもコーヒーリング効果の抑制を図ることができるでしょう。例えばハガキの用紙には普通紙インクジェット紙などの種類があります。近年ではおうちプリントといった自宅で簡単にできる年賀状印刷などが知られていますよね。このためのハガキを買うとき、郵便局でハガキの種類について尋ねられるでしょう。

コーヒーリングが生じる原因の1つとして、液体が蒸発するまでの時間が考えられます。水滴が一瞬にして蒸発する、あるいは紙に吸収されれば滴内部の粒子の移動は起こりません。つまり、水を弾きやすい材質ほど乾くまでに時間がかかりリングもできやすくなるというわけです。インクジェット紙はインクの吸収率をよくするための加工がされているため、液だれや滲みを防ぐことができます。これは同時にコーヒーリング効果の抑制でもあるのです。

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車やガラス、鏡についている水垢もよく見るとリング状をしているだろう。これも空気中の汚れや石鹸カスなどが粒子となってコーヒーリング現象を起こしているからなんだ。

プリンタはインクと紙、両方を加工することでコーヒーリング効果の抑制が可能です。水垢で考えれば雨や飛び散った石鹸カスがインク側、車のボディや鏡が紙側ですね。この場合、インク側をどうにかすることはできません。しかし紙側をコーティングしたり、汚れの混じった水を洗い流した後に水滴をすぐふき取るなどの手間を加えることで対策が可能ですよ。

印刷技術の向上につながる発見

コーヒーリング効果(コーヒーリング現象)とは、粒子を含む液体が蒸発した後に見られるリング状の蒸発残渣物です。こぼれたコーヒーが乾燥してできたシミがリング状になることからこの名前がつきました。

液体は空気に触れている表面から蒸発するという性質があります。これに伴い液滴は縁から徐々に乾いていき、滴内部に含まれる微粒子は縁側へ広がろうとするのです。これによって色素を含むコーヒーの粒子が縁に集まることで中心は薄く、リング状に濃い色の部分がある模様となるでしょう。

印刷技術と関連付けて考えたとき、この現象は抑制しなければならない問題でした。そこで砂糖入りコーヒーではリングができないことに着目し、インクの改良へと応用していったのです。それと同時に紙の性質を印刷に適したものに変えることでより鮮明な印刷が可能になりました。

コーヒーのシミの話から随分話が飛躍したように思うでしょう。しかし技術の発展にはこうした小さな発見がなくてはならないのです。

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Ayumi05