

我々の住んでいる銀河を銀河系という。この記事では銀河系を中心に銀河についても説明している。
今回は物理学科出身のライター・トオルと解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/トオル
物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。
宇宙の階層構造

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我々が太陽系に住んでいて、太陽系は銀河系の中にあるということは多くの人が知っていると思います。では銀河系の外側はどうなってるのでしょうか。現在は望遠鏡が非常に高性能になり、非常に遠くまで観測できるようになっています。まずは銀河系の外側はどうなっているかを簡単に見てみましょう。
その1:局所銀河群
Antonio Ciccolella – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
現在、観測的に見ることができる宇宙の大きさは、だいたいハッブル定数の逆数に光速度をかけた程度、つまり100億光年のオーダーです。このような大きさのスケールでの宇宙の基本的な構造要素となるものは銀河になります。我々の住む太陽系が属する銀河系は、一つの銀河ですがおよそ直径10万光年あり約2000億の星がレンズ状に集まった天体です。
銀河には、楕円銀河、我々の銀河系のように渦をまいた渦巻銀河、棒状銀河、そして不規則な球状をなしたものなどが存在しています。銀河は群れを成していて、およそ100個未満の銀河の群れが銀河群です。我々の銀河系はアンドロメダ銀河を中心とした40個ほどの銀河の群れである、局所(局部)銀河群に属しています。上記の画像は、局所銀河群の想像図です。
その2:階層構造
Chris Mihos (Case Western Reserve University)/ESO – http://www.eso.org/public/images/eso0919a/ Compare also to WikiSky DSS2 image at: http://www.wikisky.org/?ra=12.430147459292154&de=12.871871317009594&zoom=7&show_grid=1&show_constellation_lines=1&show_constellation_boundaries=1&show_const_names=0&show_galaxies=1&show_box=1&box_ra=12.513722&box_de=12.391111&box_width=50&box_height=50&img_source=DSS2 Deep Virgo: Markarian’s Chain: http://www.cloudynights.com/item.php?item_id=1779, CC 表示 4.0, リンクによる
おとめ座の方向に大量の銀河が密集していることが星図などからよくわかりますが、これはおよそ直径が1500万光年、2500個ほどの銀河の集団で、おとめ座銀河団と呼ばれています。このように多数の銀河の集団が銀河団です。さらに我々の局所銀河群は、おとめ座銀河団を中心とするさらに大きな銀河の集団である局所超銀河団の一員になります。超銀河団は複数の銀河団を含むような大きな塊で、1億光年程度もの大きさを持ち、隣との境界もあいまいです。このように宇宙は大きなスケールで、銀河・銀河群・銀河団・超銀河団といった階層構造をなしています。

銀河が集まって銀河群になり、銀河群が集まって銀河団になり、銀河団が集まって超銀河団になる。宇宙はどうやらこのような階層構造をなしているようだ。
銀河の姿と進化

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宇宙は静的ではなくダイナミックに進化しています。銀河を構成している星(恒星)も生成と消滅を繰り返しているのです。では次に渦巻銀河の特徴についても併せて見てみましょう。
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