
3分で簡単磁歪(磁気ひずみ)原理や具体例について理系大学院卒ライターがわかりやすく解説!
ライター/こーじ
元理系大学院卒。小さい頃から機械いじりが好きで、機械系を仕事にしたいと大学で工学部を専攻した。卒業後はメーカーで研究開発職に従事。物理が苦手な人に、答案の答えではわからないおもしろさを伝える。
磁歪・磁気ひずみとは

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磁歪(磁気ひずみ)とは、強磁性体など磁性を持つ物質に外から磁場を与えるとわずかに体積形状が変形する現象です。磁気ひずみや、磁気ジュール効果ともいいます。変化量は1〜10ppmのオーダー。磁歪は、物質の磁性により大きく影響が異なるのです。また、磁歪の代表的な材料は磁歪の代表的な材料はパーマロイ(鉄-ニッケル合金系)やフェライトになります。
磁性とは

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磁性は,磁場の中に置かれたときに物質が他の物質に引力や斥力を及ぼす現象の一つです。原子やそれより小さいサイズで反応する性質を持ち、磁気とも呼ばれています。磁性に影響を与えるものは大きく二つです。電子の自転と電子の原子核に対する軌道運動になります。
実は電子も地球と同じように原子核の周りを公転しながら自転しているのです。この時、磁気モーメントが生じ極微小の磁石のようにふるまうことで磁性が発生します。つまり、原子においても、磁気モーメントによる偏りが発生すれば、それは極微小の磁石といえるのです。
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磁性の種類
磁性には4種類に磁性があります。それらは、強磁性、反強磁性、フェリ磁性、常磁性です。
強磁性は、自発的な磁化を持っています。それは、原子の磁気モーメントがあるひとつの方向にそろっているためです。実は、磁性材料として使用されている物質の多くはこの強磁性物質になります。
反強磁性は、自発的な磁化が消失する物質です。原子レベルでの磁気モーメントを打ち消しあい磁性がなくなります。例えば、左右の物質でお互いに逆の磁気モーメントを発生させ打ち消しあうというイメージです。
フェリ磁性は、反強磁性に似ています。反強磁性と異なり、左右の物資における磁気モーメントの打ち消しあいの数が合致していません。そのため、系全体では磁気の偏りが生じ、自発磁化が発生する物質です。
最後は常磁性になります。常磁性は磁気モーメントがランダムに向いている物質です。多くの物質はこの常磁性になります。
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