化学理科

水と氷の不思議な関係性をその仕組みから理系大学院卒ライターがわかりやすく解説!

2.海や川がお湯にならない

真夏の海に行ったことはありますか?砂の石や海岸線の岩はとても暑いのに海はそれらに比べると冷たい、ぬるいですよね。

これも水の不思議な性質の一つで、真夏であっても海や川が蒸発しないのです。もし川の温度や海の温度が急激に上がってしまうと、そこにすむ生物は温度変化に対応できません。真夏でも水の温度がすぐに変化しないというのは、実は大変不思議な現象なのです。

3.タオルで体がふける

実は、水をタオルでふけることも特異な性質のひとつです

油やごれを清掃する場合、タオルだけでは拭き取れませんよね。例えば、洗剤を混ぜたりティッシュやキッチンペーパーのもので拭き取ります。水は表面張力が高いため、タオルなど繊維の自動的にすきまに吸い込まれていくのです。

水と氷の構造

では、水はこのような性質を持つのかを分子の構造という観点で解説していきます。

1.水の状態図

Phase diagram of water.svg
Cmglee投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

すべての物質は液体、固体、気体と変化しますこの3つの状態は3態といいます。

そして温度、圧力により物質の状態が変化する様子を示した図を状態図といいます。では水の状態図を見てみましょう。水は水、氷、水蒸気や湯気へと変化し、水はセ氏0℃で氷に、セ氏100℃で水から水蒸気への変化し、この変化を相変化(相変態)といいます。スケートを楽しめるのは、この水の性質のおかげです。氷の圧力をかけると、固体から液体へと変化します。そのため、氷の上に薄い水の膜が生成され滑り楽しめるのです。

2.水の構造

では、水の構造を見ていきましょう。水は分子レベルで見ると、1つの水分子の集合体です。1つの水分子は、2つの水素原子(H)と1つの酸素原子(O)からなります。

水分子は一直線ではありません。くの字のように折れ曲がっており、角度は104.5度です。水分子は極性を有しています。酸素原子と水素原子のそれぞれ電位陰性度を比べると酸素原子の方が大きいです。これにより、電位差が生まれ、極性を持ちます。この結合は水素結合です。この水素結合により水は特殊な性質を有しています。

3.水素結合とは

3.水素結合とは

image by Study-Z編集部

水素結合は、分子間力のひとつです。OH基やNH基など電子陰性度の高い原子に水素が共有結合すると、それらの極性により水素結合が発生します。この水素結合が、水の特異性を示す理由です。水素結合の強さは、分子間力より強く共有結合より弱くなります。たとえば,水(分子量18)の沸点が100℃。水素結合がないメタン(分子量16)の沸点は,−162℃と200℃以上異なります。そのため、似たような分子量を有する他の分子に比べても沸点が高いです。海や川の水の温度変化が緩やかなのは、この性質のためになります。相対的に水の比熱が高くなり、温度変化が緩やかなのです。

また、水の表面張力が高いのもの水素結合が影響しています。水素結合により水は極性をもちお互いが集まろうとするのです。その力が表面張力の強さとなり、水はタオルのすき間に毛細管現象により吸収されます。油汚れがおちにくいのは表面張力が低く毛細管現象がおこらないためです

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