この記事では「足が棒になる」について解説する。

端的に言えば「足が棒になる」の意味は「足がひどく疲れている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「足が棒になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「足が棒になる」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「足が棒になる」の意味・使い方を見ていきましょう。

「足が棒になる」の意味は?

「足が棒になる」には、次のような意味があります。

長く立ったり歩いたりして疲れ果て、足の筋肉がこわばる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「足が棒になる」

適度に体を動かすことも大切ですが、動き過ぎても疲れが溜まるものですよね。「足が棒(ぼう)になる」は、長時間の立ち仕事で筋肉が強張る、もしくは長時間歩き続けたことによる足の疲労を「棒」にたとえた慣用句になります。酷使した足の状態を説明する際に用いるとよいでしょう。「棒」という言葉自体にも「疲れによって足の自由がきかなくなる」という意味が含まれています。そのため「足を棒にする」という表現でも問題ありません。

\次のページで「「足が棒になる」の使い方・例文」を解説!/

「足が棒になる」の使い方・例文

「足が棒になる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.立ち仕事をしていたら、足が棒になってしまった。

2.足が棒になるほど歩き回ったので、予定していた仕事を全て片付けることができた。

3.湿布を貼って寝たのに、まだ足が棒になったままだ。

「足が棒になる」は、足が突っ張っていると感じるほど、ひどく疲れた場合に使うことができます。シンプルに「足が疲れた」や「筋肉痛がひどい」といった表現でも良いかもしれません。しかし、「足が棒になる」は足の自由がきかなくなるほど酷使した状態を差しています。「1日歩いたら、足が棒になって大変でしたよ」というように、足がひどい状態であると周囲に伝えたい場合に使ってみてください。

「足が棒になる」の類義語は?違いは?

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では、「足が棒になる」の類義語や違いをみていきましょう。

「足が重い」

疲れがたまると、足が重く感じるものです。「足が重い」の意味は、足がだるくなること。足が棒になったあとに、足が重い状態になることが多いといえるでしょう。ほかにも、気が進まない時に「足が重い」を使うことができます。たとえば、友人と遊ぶ約束をしましたが、苦手な人も参加しているため、どうにも行く気になれません。そのような時に「友人と会うのは気が重い」などと表現するとよいでしょう。

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「綿のように疲れる」

「綿(わた)のように疲れる」は、足だけでなく、精神的にも肉体的にもひどく疲れた状態を差すたとえになります。「綿」というと、むしろ体が軽くなったような印象を受けるかもしれません。しかし、意味は正反対で、綿のように体から力が抜けてしまう様子から作られた慣用句といわれています。ただし、近年ではあまり使われていないので、「綿のように疲れたよ」と伝えても、人によってはキョトンとしてしまうかもしれませんね。

「顎を出す」

「顎(あご)を出す」は、しゃくれた様子を表しているわけではありません。意味は、ひどく疲れていること。歩き疲れた時は、大抵の人はまず椅子に座るはずです。そうすると、腰が引けて、自然と顎が前に出てしまう態勢になるのではないでしょうか。そのような態勢から、疲れ果てることを「顎を出す」と表現するようになりました。使い方としては、「疲れてしまった」といった感覚で使うとよいでしょう。たとえば、山の頂上を目指して歩いていましたが「途中で顎を出してしまった」と表現することができます。

「足が棒になる」の対義語は?

「足が棒になる」は「足が疲れ果てる」という意味でした。反対の意味となると「疲れない」となるはずです。そこで今回は、「疲れ知らず」や「頑丈」といった意味合いで「足が棒になる」の対義語をみていきましょう。

「溌剌」

見慣れない漢字ですが「溌剌」は「はつらつ」と読みます。意味は、元気がよく生き生きしていること。ほかにも、魚が飛び跳ねる様子を「溌剌」と表現することもあります。元気な姿や声など、活気が溢れていると感じた時に「溌剌」を使うとよいでしょう。たとえば、彼が溌剌とした声で挨拶してきた。ほかにも、彼女はいつも溌剌としていると表現してもいいですね。「あの人はいつも元気だな」と思ったら、「溌剌」を使って人柄を表現してみてください。

「タフ」

「タフ」はカタカナ英語で、意味は頑丈なこと。少しのことでは屈しない、体力と精神力を備えている様子を「タフ」と表現します。英語でも「tough(タフ)」がありますが、人に対してというよりは、物に対して「頑丈だ」と表現する際に使われているといえるでしょう。ほかにも「厳しい」や「手強い」という意味もあります。意味が少し異なるため、日本語で使う「タフ」と混同しないように注意してください。

「タフ」は日常会話でもよく使われており、「頑丈」や「屈強」といった意味合いで用いられています。たとえば、周りの社員は足が棒になっているのに、一人だけ元気な社員がいたとしましょう、「彼はタフな男だな」と表現することができますね。

「足が棒になる」の英訳は?

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では、「足が棒になる」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

\次のページで「「legs got stiff」」を解説!/

「legs got stiff」

「stick」を使って「足が棒になる」を表現することは難しいのではないでしょうか。そこで、意味の「足が強張る」を英訳してみましょう。「stiff」は「硬い」という意味のほかに「凝る」や「(動かすと)痛い」といった意味もあります。「legs got stiff」は直訳すると「足が強張る」という意味。強張るということは疲れているわけですから「足が棒になる」として使うことができるでしょう。

「legs feel heavy and tired」

「足が棒になる」は、疲れ果てて足が強張るという意味になります。足が辛い状態だということ伝えるだけならば、シンプルに「heavy(重い)」と「tired(疲れた)」を使ってもよいのではないでしょうか。「My legs feel heavy and tired」といえば「私の足は重くて疲れているようだ」という意味になり、「私の足が棒になっている」と伝えることができるでしょう。

「足が棒になる」を使いこなそう

この記事では「足が棒になる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足が棒になる」は、誰もが体験する感覚であることから、日常会話でよく使われています。「棒」というと、曲がることなく、真っ直ぐで柔軟性がない形を想像しますよね。そのような状態を「足」に当てはめて表現したわけですから、「足が棒になる」はユーモア溢れた慣用句といえるのではないでしょうか。

足が棒になるということは、それだけ無理をしたということでもあります。立ち仕事で疲れ果てているならば、ぜひ「足が棒になる」を使って足の状態を家族に伝えてみてください。

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【慣用句】「足が棒になる」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「足が棒になる」について解説する。

端的に言えば「足が棒になる」の意味は「足がひどく疲れている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「足が棒になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「足が棒になる」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「足が棒になる」の意味・使い方を見ていきましょう。

「足が棒になる」の意味は?

「足が棒になる」には、次のような意味があります。

長く立ったり歩いたりして疲れ果て、足の筋肉がこわばる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「足が棒になる」

適度に体を動かすことも大切ですが、動き過ぎても疲れが溜まるものですよね。「足が棒(ぼう)になる」は、長時間の立ち仕事で筋肉が強張る、もしくは長時間歩き続けたことによる足の疲労を「棒」にたとえた慣用句になります。酷使した足の状態を説明する際に用いるとよいでしょう。「棒」という言葉自体にも「疲れによって足の自由がきかなくなる」という意味が含まれています。そのため「足を棒にする」という表現でも問題ありません。

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