この記事では「屈折・全反射」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

光についての単元では、作図をする問題がとてもよく出てくるが、屈折や全反射についても同様です。それぞれの言葉の意味をしっかりと抑えたうえで、練習問題も解いていこう。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数26万回の授業をもとにまとめています。

また、こちらの動画の内容もふくまれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

光が”折れ曲がる”?

動画内のホワイトボード右上に書かれた絵に注目しましょう。

この図では、中央のまっすぐな線を境にして、上に空気、下が水が存在していることを表しています。このとき、空気と水の境目を境界面というので覚えておいてください。

image by Study-Z編集部

この場所で、光がどのように進むかという道筋を表したのが赤や青で書かれた矢印です。

よくみると、空気中からななめ水中に差し込んだ光は、まっすぐ進むのではなく、境界面で折れ曲がっています。水中から空気中に進む光も同様です。

このように、斜めに入射する光が境界面で曲がること「屈折(くっせつ)」といいます。

入射角と屈折角とは?

入射する光(赤い→:入射光)と、境界面と垂直な線(図中では点線)のつくる角を「入射角(にゅうしゃかく)」といいます。これは、前回の『光の反射』で出てきた言葉と同じですね。

そして、それまでとは違う物質の中に入射した光が屈折してできた光の道筋(青い→)と、境界面と垂直な線(図中では点線)のつくる角を「屈折角(くっせつかく)」といいます。

\次のページで「入射角と屈折角の大きさの違いは?」を解説!/

入射角と屈折角の大きさの違いは?

光の通る2種類の物質が空気と水(またはガラス)の場合、角度は空気側の方が大きくなります

空気中から水中に向かう光の場合は、空気側の入射角の方が大きいです。一方、水中から空気中へ進む光の場合は、空気側の屈折角の方が大きくなります。

空気中からレンズに進む光の屈折

3つの例を使って、光の屈折を作図する練習をしてみましょう。

image by Study-Z編集部

まずは、光が空気中からレンズに差し込む場合(⑤)。レンズに光が入ると、屈折がおきることが予想されます。

反射した光や屈折した光を書くにはまず、物質の境界面に垂直な線を点線で書きましょう。そして、入射角(空気側)の方が大きくなるように注意しながら屈折した光の道筋を書きます。

⑥はレンズ中から空気中に出ていく光です。先ほどと同じように、物質の境界面に垂直な線を点線で書いたあと、空気中に出ていく光の道筋を記入します。

このときは、屈折角(空気側)の方が大きくなるように書くのがポイントですね。

image by Study-Z編集部

⑦の例はちょっと特別。実は、レンズ中から境界面に向かう光の入射角があまりにも大きくなると、光は空気中に進むことができず、境界面ですべて反射されてしまうのです。

このように、入射角が一定以上大きくなると、境界面ですべての光が反射してしまうことを全反射(ぜんはんしゃ)といいます。

全反射する場合には、反射された光(反射光)の道筋を書きましょう。このとき、「入射角と反射角の角度が同じ」になるよう書くのがポイントです。

「光の進み方」の練習問題

2本目の動画で、より具体的な問題を解いてみましょう。光の反射や屈折の知識が必要ですよ。

\次のページで「1.水の中の物質の見え方」を解説!/

1.水の中の物質の見え方

水の入ったカップの底に10円玉を置いてA点からみると、B点がC点にうかび上がって見える。このときのB点からA点までの光の進み方を書こう。

Aの場所に”目”があると考えましょう。

まずはCからAに向かってまっすぐな点線を書きます。水と空気の境界を見つけ、屈折するポイントを探しましょう。Aから境界面のポイントまで実線を書いたら、そこからBに向かって直線をひきます。これで、光の道筋が欠けました!

光の進む方向は”B点からA点”ですので、そのように→をかきましょう。

2.水中で反射と屈折をする光

図のように水の入った容器と鏡をセットしたとき、水から空気中に出るところまでの光の進み方を角度に注意しながら書こう。

まずは空気中の鏡に垂直な点線を書き、それをもとにして反射した光を書きましょう。「入射角=反射角」です。

この光は水面にたどりつき、屈折して水の底へ進みます。水面に垂直な点線を書いて、「入射角(空気側)>屈折角(水中側)」になるような実線をつくりましょう。

水の底では再び反射し、光は水面へ。空気中に出ていくときには「屈折角(空気側)>入射角(水中側)」です。

image by Study-Z編集部

なお、この図で書いた角のうち、「空気中から水中に進んだ光の入射角」と「水中から空気中に進んだ光の屈折角」の大きさは同じになります。また、「空気中から水中に進んだ光の屈折角」と「水中から空気中に進んだ光の入射角」の大きさも同じです。ここまでしっかりかけると正確ですね。

\次のページで「補足」を解説!/

補足

動画中で詳しい解説がなかった点をいくつか補足しましょう。

なぜ光が屈折するのか?

なぜ光は屈折するのでしょうか?

とある男さんの動画でも紹介されたように、光の屈折は「ある物質内を通っていた光が、別の種類の物質内に入る」ときにおきるんでしたね。

今回は空気や水、レンズ(ガラス)中を通る光を見てきましたが、”空気”や”水”、”レンズ(ガラス)”はたくさんの原子や分子が集まってできています。”空気”や”水”を構成する分子の種類や数が違うと、光の進みやすさに差がうまれるのです。

たとえば”空気”と”水”であれば、空気中の方が光の進む速度が速く、水中では空気中よりもやや遅くなります。

じつは、光の進むことのできるスピードが変わると、光の進行方向が変わるんです。空気中から水中に進んだ光はスピードが遅くなるため、屈折するんですね。

屈折率

光が異なる物質に進んだときに、変化する速度が大きいほど、屈折は大きくなります。反対に、同じ物質中を進むのであれば、基本的に速度が変化しないので、屈折は生じません。

それぞれの物質内で光が進むとき、その速度と”真空中を進む光の速度”の比を「屈折率」といいます。物質の屈折率の差が大きいほど(=光の速度の差が大きいほど)大きな屈折がみられるのです。

次のおすすめ動画はこれ!

「屈折・全反射」はわかりましたか。もし引き続きこのテーマに関心がある場合、次の動画で「レンズのはたらき」を学ぶと一層理解が深まります。

光の反射と屈折を使いこなそう!

2本目の動画の最後の問題のように、光の反射と屈折を何度も利用しなくてはいけない問題がよく見られます。入射角、反射角、屈折角の意味や特徴をしっかりを覚えておきたいですね。

今回の話の中心だった「光の屈折」という現象は、虫眼鏡のしくみに関係していたり、光ファイバーなどの製品に応用されています。身近にみられる「光の屈折」も調べてみたいですね。

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3分でわかる「屈折」「全反射」の意味や違い!登録者数95万人人気講師がわかりやすく解説

この記事では「屈折・全反射」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

光についての単元では、作図をする問題がとてもよく出てくるが、屈折や全反射についても同様です。それぞれの言葉の意味をしっかりと抑えたうえで、練習問題も解いていこう。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数26万回の授業をもとにまとめています。

また、こちらの動画の内容もふくまれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

光が”折れ曲がる”?

動画内のホワイトボード右上に書かれた絵に注目しましょう。

この図では、中央のまっすぐな線を境にして、上に空気、下が水が存在していることを表しています。このとき、空気と水の境目を境界面というので覚えておいてください。

image by Study-Z編集部

この場所で、光がどのように進むかという道筋を表したのが赤や青で書かれた矢印です。

よくみると、空気中からななめ水中に差し込んだ光は、まっすぐ進むのではなく、境界面で折れ曲がっています。水中から空気中に進む光も同様です。

このように、斜めに入射する光が境界面で曲がること「屈折(くっせつ)」といいます。

入射角と屈折角とは?

入射する光(赤い→:入射光)と、境界面と垂直な線(図中では点線)のつくる角を「入射角(にゅうしゃかく)」といいます。これは、前回の『光の反射』で出てきた言葉と同じですね。

そして、それまでとは違う物質の中に入射した光が屈折してできた光の道筋(青い→)と、境界面と垂直な線(図中では点線)のつくる角を「屈折角(くっせつかく)」といいます。

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