
「間に割って入る」
「当事者の間に強引に入ってくる」という類語のひとつに「間に割って入ってくる」(あいだにわってはいってくる)があります。ただ、「間に割って入ってくる」場合の目的は、「横槍を入れる」ときと異なりますね。「横槍を入れる」目的が、対立している二つの立場のどちらかを加勢することを目的としているのに対して、「間に割って入ってくる」目的は双方の「ケンカ」や「言い争い」、「いじめ」などをやめさせることを意図して間に入ってくる場合に使われるのです。「両者への注意」や「関係修復」、場合によっては、「両者を納得させる交渉人」として善意で入って来る場合にもよく使われる言葉ですね。
「横槍を入れる」の対義語は?
次に「横槍を入れる」の反対語を見ていきましょう。
「手出しは無用」
時代劇などを見ているとひとりで多数のグループと対峙(たいじ)するとき、ひとりで戦いを挑む武者が「一騎討を望む」と要望することがあります。「一騎討」(いっきうち)とは、目的とする相手と「1対1で戦うこと」であり、相手の武者は、「手出し無用」(てだしむよう)とまわりの仲間たちに声を掛けるのです。「手出し無用」とは、1対1の戦いを受けた以上、勝敗は1対1で決するため「手出しはするな」という意味になります。「横槍を入れる」が仲間に勝利をもたらすために側面から共通の敵を攻撃することですが、「手出しは無用」は「相手と自分ふたりで戦う」ことに重点が置かれているのです。「助太刀無用」(すけだちむよう)という言葉も「手出しは無用」と同じ意味で使われますね。
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」
「横槍を入れる」が「横から急に第三者が出しゃばった行為をしたり口出ししたりすること」であるのに対して、「つまらない原因でもめているのだろうからと間に入ったり、仲裁したりしないこと」を表すことわざに「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」(ふうふげんかはいぬもくわぬ)があります。なんでも食べようとする犬でさえ、夫婦喧嘩には見向きもしないということです。
「横槍を入れる」の英訳は?

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それでは、「横槍を入れる」の英訳を見ていきましょう。「横槍を入れる」は、「側面から槍を突き刺す」になりますので、「突き刺す」という動詞には、「pierce」を使い、槍は「spear」を使って「Pierce a spear from his/her side」となります。
しかし、この表現では、「口出しや、出しゃばりで邪魔や干渉する」というニュアンスは伝わりません。それでは、「邪魔をする」や「干渉する」を英語にするとどんな表現になるのかをご紹介しましょう。
「Interrupt」
「妨げる」「さえぎる」「邪魔をする」などにピッタリと合う英単語のひとつが「Interrupt」(ìntərʌ́pt)です。さえぎる対象はひとの話や仕事のほか、「流れ」や「交通」、「視野」を妨げるなど、多くのことがらに使える単語ですから覚えておいて使ってみてください。
いくつか「Interrupt」を使った例をご紹介しましょう。
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