今回は「単原子分子」について解説していきます。
単原子分子は原子1個でできている分子のことです。
みんなも良く知っているヘリウムもここに分類されている。
今回は単原子分子の特徴について説明する。ぜひ、この機会に単原子分子について勉強してほしい。
化学に詳しいライターsalviaと一緒に解説していきます。

ライター/Salvia

理系大学院を修了後、食品の研究業務に携わり化学や物理を得意としている。受験だけでなく大学、社会で役立つ情報を伝える。

1. 単原子分子とは?

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単原子分子(たんげんしぶんし)という言葉を聞いたことはありますか?単原子分子とは一個の原子で構成されている分子のことで、分子の分類の名前になります。高校生の化学の授業では最初の方に習う単語ですね。

分子の多くは2個以上の原子によって構成されていますが、単原子分子は一個の原子で構成されているのが特徴。ひと昔前にお笑い番組テレビで流行っていた、声のトーンを変える気体であるヘリウムはこの単原子分子に当てはまります。その他にもネオンやアルゴンといった原子が具体例として挙げられますね。

今回はまず、分子の種類について説明した上で、単原子分子の特徴や身近な例について解説しますので順次見ていきましょう。

1-1 分子の分類

1-1 分子の分類

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分子は構成する原子の数によっていくつか分類があるので、その分類について見ていきましょう。先ほどお伝えしたようにヘリウム(He)など原子1個で構成される分子は単原子分子といいます。これに対して、水素(H2)や酸素(O2)のように二個の原子から構成される分子を二原子分子、水(H2O)や二酸化炭素(CO2)のように三個から構成される分子を三原子分子、エタノール(CH3CH2OH)のように三個以上の分子を多原子分子と呼びますね。

1-2 なぜ分子にはいろいろな組み合わせがあるのか

このように分子は色々な組み合わせがありますが、何故色々な組み合わせをとるのでしょうか。これを理解するには、分子の安定性について考える必要があります。

分子がその状態で存在するのは、その構造が安定な状態であるからです。不安定だとほかの物質(原子や分子)と反応して別のものに変わってしまいます(反応して安定な状態へ変化するとも言えます)。

つまり、原子単体でいるよりも複数の原子同士が結合した方が安定な事が多いので、化学結合が起こり、二原子分子以上の分子が多く存在しています。ですから、単原子分子は一つの原子でも安定な状態(周りの物質と反応しない)性質を持つ原子が当てはまることになりますね。

1-3 単原子分子と希ガス

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それでは、実際にどういった原子が単原子分子に当てはまるのか見ていきましょう。その主な例はヘリウムといった希ガス元素が当てはまります。

希ガス元素とは周期表18族のヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソンのこと。そして、融点・沸点がとても低く、通常の条件でほかの元素とは容易に反応しないといった性質を持ちます。ただ、歴史的に遅れて発見されたラドン、オガネソンは反応性があるのに注意してください。

単原子分子はその原子単独で安定であることが条件ですね。そのため、単原子分子に当てはまるのはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンとなりそうです。

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2. 希ガス元素の身近な利用例

単原子分子に分類されるヘリウムやネオン、アルゴンなどは私たちの生活の近くでも利用されています。せっかくなので今回は、ヘリウム、ネオン、アルゴンの利用例について見ていきましょう。

2-1 空気より軽くて冷却剤にも扱われる!ヘリウムの利用例

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ヘリウムと聞くと、声のトーンを変えるアレでしょ?とイメージする人が多いと思います。ここではその他の利用例を2つお伝えしますね。

1個目は気球や飛行船、風船を浮かす気体としての利用。当初、浮かす気体には水素が使われていたようですが発火して爆発する可能性があったため、空気よりも軽くて、ほかの物質と反応しづらいヘリウムが使われるようになったそうです。

2個目は冷却材としての利用。ヘリウムは通常気体で存在しますが、冷却と加圧を繰り返すことで液化させることができ、なんとこの温度が-269℃ととても低い状態になります。そして、MRIといった超伝導体を使用する機材の冷却に利用されるようになりました。

2-2 街を彩る!ネオンの利用例

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ネオンと聞くと、ネオンサインを浮かべる人が多いのではないでしょうか。

一定のネオンを封入したガラス管の両極をつないで放電すると光ります。これを利用したのがネオンサインです。ネオンは赤系の表現のみが可能なため、アルゴンや水銀などもあわせて用いられます。

今はLEDなどほかの光源が利用されていますが、現在も街を彩るために利用されていますね。有名なネオンサインとして道頓堀のグリコを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。

2-3 溶接から実験まで広く使われる!アルゴンの利用例

アルゴンは周りの物質と反応しない気体(不活性ガス)として有名で、ほかの不活性ガスと比較して空気中に多く存在しています(空気中に約1%)。アルゴンガスの利用方法は幅広く、今回は以下2個を紹介しますね。

1個目は溶接への利用。アーク溶接を行う際に、溶接部に空気が入ってしまうと欠陥が起き、見た目も悪くなるといった問題があるそうです。この問題を解決するための方法として、アルゴンが利用されます。溶接部をアルゴンで満たし、空気を追い出すことで金属への無駄な化学反応を防ぎ、高品質な物に仕上がるそうです。

2個目は実験室での利用例。大学の実験室等では湿気や酸化によって劣化してしまう試薬(反応性の高い試薬など)を扱うことがあります。このような試薬を扱う場合は、その容器にアルゴンを満たして空気を追い出だし、試薬が反応しない状態にして保管することもありますね。

\次のページで「単原子分子とは1個の原子で構成される分子のこと」を解説!/

単原子分子とは1個の原子で構成される分子のこと

原子一個で存在できる分子、これが単原子分子。そして、原子一個で存在できるのは単体で安定な状態をとれるためです。

単原子分子という単語は高校生になって初めて聞く人も多いと思います。化学の基礎となる考えの一つですので、大学生になっても役立ちますよ。是非覚えてください。

また、今回は分子の安定性等について詳しい話はしませんでしたが、このあたりを理解するとより深く考えることができます。より深い意味を知りたいという方は記事で取り上げたキーワード等にそって調べたり、先生に質問したりして勉強してください。

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化学理科

3分で簡単「単原子分子」どんな分子?希ガスやアルゴンなど具体例とともに理系大学院出身がわかりやすく解説

2. 希ガス元素の身近な利用例

単原子分子に分類されるヘリウムやネオン、アルゴンなどは私たちの生活の近くでも利用されています。せっかくなので今回は、ヘリウム、ネオン、アルゴンの利用例について見ていきましょう。

2-1 空気より軽くて冷却剤にも扱われる!ヘリウムの利用例

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ヘリウムと聞くと、声のトーンを変えるアレでしょ?とイメージする人が多いと思います。ここではその他の利用例を2つお伝えしますね。

1個目は気球や飛行船、風船を浮かす気体としての利用。当初、浮かす気体には水素が使われていたようですが発火して爆発する可能性があったため、空気よりも軽くて、ほかの物質と反応しづらいヘリウムが使われるようになったそうです。

2個目は冷却材としての利用。ヘリウムは通常気体で存在しますが、冷却と加圧を繰り返すことで液化させることができ、なんとこの温度が-269℃ととても低い状態になります。そして、MRIといった超伝導体を使用する機材の冷却に利用されるようになりました。

2-2 街を彩る!ネオンの利用例

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ネオンと聞くと、ネオンサインを浮かべる人が多いのではないでしょうか。

一定のネオンを封入したガラス管の両極をつないで放電すると光ります。これを利用したのがネオンサインです。ネオンは赤系の表現のみが可能なため、アルゴンや水銀などもあわせて用いられます。

今はLEDなどほかの光源が利用されていますが、現在も街を彩るために利用されていますね。有名なネオンサインとして道頓堀のグリコを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。

2-3 溶接から実験まで広く使われる!アルゴンの利用例

アルゴンは周りの物質と反応しない気体(不活性ガス)として有名で、ほかの不活性ガスと比較して空気中に多く存在しています(空気中に約1%)。アルゴンガスの利用方法は幅広く、今回は以下2個を紹介しますね。

1個目は溶接への利用。アーク溶接を行う際に、溶接部に空気が入ってしまうと欠陥が起き、見た目も悪くなるといった問題があるそうです。この問題を解決するための方法として、アルゴンが利用されます。溶接部をアルゴンで満たし、空気を追い出すことで金属への無駄な化学反応を防ぎ、高品質な物に仕上がるそうです。

2個目は実験室での利用例。大学の実験室等では湿気や酸化によって劣化してしまう試薬(反応性の高い試薬など)を扱うことがあります。このような試薬を扱う場合は、その容器にアルゴンを満たして空気を追い出だし、試薬が反応しない状態にして保管することもありますね。

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