「新年の挨拶によく使用する言葉5つ」それぞれの意味と使い方。新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
新年の挨拶の意味とは
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季節の挨拶は、日ごろの感謝を伝えるとともに、相手の安否の気遣いや、自分の近況をお知らせするためのものです。新年の挨拶として代表的な年賀状も、その一つだと言えるでしょう。
「厚情」「厚誼・高誼」「高配」「鞭撻」は、かしこまった表現で感謝の気持ちを伝えるため、使われる言葉です。また「慶ぶ」が使われるのは、おめでたい気持ちと安否の気遣いを伝えるときでしょう。今回は、以上の言葉5つが使用されるケースが多い、年賀状を念頭に解説していきます。
「厚情」「厚誼・高誼」「高配」「鞭撻」「慶ぶ」を上手に使い、ていねいで晴れやかな挨拶文にしていきましょう。
「新年の挨拶に使用する言葉」それぞれの意味と使い方
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それでは、新年の挨拶に使用される言葉5つについて、意味や使い方を例文を挙げて説明していきます。いずれも、日常会話の中ではあまり使われない言葉なので、いざというときに困らないよう覚えおくとよいでしょう。
厚情(こうじょう)
「厚情」とは「あついなさけ。思いやりのある心」という意味です。「ご厚情を賜る」といった使い方が一般的で、「深い思いやりをいただいたことに対して、非常に感謝している」という気持ちを表現したい場合に使います。
この場合の「情(なさけ)」は、哀れみの意味ではなく、愛情や思いやりの感情を指すので、そうした温かい気持ちに対するお礼の意を込めたメッセージを、後ろに続けるとよいでしょう。
使用例:
「昨年は格別のご厚情に与り(あずかり)、心より御礼申し上げます」
「旧年中は並々ならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました」
厚誼・高誼(こうぎ)
「厚誼・高誼」はいずれも「まごころからのつきあい・親切」という意味を持ちます。
「誼(音読み:ぎ)」はあまり見慣れない漢字かもしれませんが、訓読みでは「よしみ」です。親しい付き合いや深い友情を表す言葉で、「昔のよしみ」といった慣用句でよく使われます。
挨拶においては、相手に対する厚い親しみの気持ちや、目上の人から受ける深い思いやりを「厚誼・高誼」と言い表し、「ご厚誼に預かる」といった使い方が一般的です。
「厚誼」は、日頃からお世話になっている目上の人に対して使われます。ビジネス文書で使われるケースもあるようです。一方「高誼」は、相手の自分への好意を敬って言う言葉で、主に手紙で使われています。
使用例:
「格別のご厚誼に感謝いたします」
「昨年中は格別なるご高誼に与り、誠にありがとうございました」
「本年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
高配(こうはい)
「高配」は、相手の配慮・心配りを敬って言う言葉です。この場合の「高」は尊敬の意味になります。また「配」は「目配り」「気配り」「心配り」の「配」で、そのような深い配慮に対して感謝したいときに使われるのが「高配」です。
相手との関係が対等な場合でも使用が可能ですが、主に目上の人や、会社の上司など自分よりも立場が上の人に対して使われます。
使用例:
「旧年中は一方(ひとかた)ならぬ御高配を賜り、誠にありがとうございました」
鞭撻(べんたつ)
「鞭撻」の「鞭」は訓読みすると「むち」となり、古くは騎馬用のむち、刑具としてのむちを指したようです。また、「撻」も「鞭や棒で打つ」ことを意味していました。ですから「鞭撻」は本来、「鞭で打つ」あるいは「(力で)抑える・征服する」という、非常に厳しい意味でした。
ただし、現在では「(叱咤)激励すること」「強く励ますこと」を言い表します。一般的には「ご指導ご鞭撻」といった形でよく使われることが多いでしょう。「心のこもった助言・アドバイスに対して、大いに感謝しています」という内容の一文で使われます。
使用例:
「昨年中はご指導ご鞭撻を賜り、誠にありがとうございました」
「ご指導ご鞭撻のおかけで~」
「今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
慶ぶ(よろこぶ)
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「慶ぶ」の「慶」は「めでたいとして祝う。ことほぐ(言祝ぐ)」という意味です。つまり、新年の挨拶で「慶ぶ」を使う場合、「新年を迎えるにあたり、そのおめでたい気持ちを言葉でお祝いします」というニュアンスになります。
「よろこぶ」は他に「喜ぶ」「悦ぶ」「歓ぶ」などの漢字が当てられますが、年賀状やビジネス文書では「慶ぶ」とすることが多いようです。古来、吉礼には鹿皮を礼物とする慣習があったそうで、「鹿」の省略形から構成されている「慶」は、おめでたいニュアンスを込めたいときに使われるようになったと考えられます。
使用例:
「皆様におかれましては健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます」
「幸多き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます」
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