「臆面がない」
もう一つの類義語には、「臆面がない(おくめんがない)」があります。遠慮したようすもなくずうずうしいという意味です。「臆」は気おくれすること、「面」は顔や顔つきのことから、「臆面」気おくれした顔やようすのことを表します。
「抜け目がない」は自分の利益になるものを見逃さないということから、人目よりも自分の利益を優先するところは遠慮がないことにつながり、「臆面がない」と近い意味合いとなりますよ。
「抜け目がない」の対義語は?
次に、「抜け目がない」の対義語についての説明です。こちらでも、二つの意味があることにあわせて、二種類の対義語について見ていきましょう。
「行き当たりばったり」
「抜け目がない」の対義語には、「行き当たりばったり(いきあたりばったり)」があります。意味は、一貫した予定や計画なしに、その場しのぎの行動をとることです。「行き当たる」は行動していたり場面が進行している中で何かに出くわしたということ、「ばったり」は思いがけなく出会ったりすることを表しています。
予定や計画、調査、想定などが不足しているために「ばったり」出くわすことになってしまうということです。悪気はなくとも「行き当たりばったり」では、実際のところなかなかいい結果には結びつきません。物ごとの前後のことを考えて、上手く準備をすすめたいですね。
「迂闊」
もう一つの対義語には、「迂闊(うかつ)」があります。うっかりしていて心が行き届いていないことという意味です。「迂」は曲がりくねっていたり遠回りであること、「闊」は広いという意味の他にうといやまわり遠いということ、「迂闊」で物ごとの事情に疎いという意味になっています。
「迂闊」は主にうっかりしていたことによって何らかの悪影響があったときに使われる表現であるため、マイナスのイメージを含む表現です。
「alert」
「抜け目がない」の英訳には、「alert」があります。形容詞として人の性質を表し、意味は「油断のない、注意を払っている、警戒して、機敏な、てきぱきして」などです。名詞や動詞として使うときは、警告や警戒など注意喚起の意味合いになります。
その他、「shrewd」はややずる賢い意味合いを含む単語です。職業や商売に関連する表現をする場合は、「shrewd」のほうがよく使われます。
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