地学大気・海洋理科

5分でわかる「大気と海水の大規模運動」フェレル循環やハドレー循環とは?理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は大気と海水の大規模運動について解説していくぞ。

大気と海水が連動しているのはなんとなくわかると思う。この記事では特に大気の循環運動について詳しく紹介していく。

今回は物理学科出身の理系ライター・トオルと解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

大気・海水が担う南北熱輸送の役割

image by iStockphoto

大気と海水は地球規模で大きく循環しています。大気と海水の循環は地球環境にとって非常に重要なものです。まずは大気と海水の循環の原因について見てみましょう。簡単に言えば大気と海水の運動の原因は温度差です。そして、地球の大域的な温度は太陽入射と地球放射の差し引きできまります。太陽入射と地球放射によって生まれる地球の温度差が大気と海水の最も大きな運動の原因です。

その1:太陽入射と地球放射

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太陽からの光を地球の大気・海洋および地表面が受け取る量、すなわち太陽入射量地球大気の外から宇宙へ逃げていく赤外線の量、すなわち地球放射量地球の全体としては釣り合っています。

しかし、太陽光線は、低緯度では昼間はほぼ天頂から照らされるのに対し、高緯度では一日中地平線近くから照らされているのです。そのため、入射から反射を差し引いた正味の太陽入射量、地表の水平面において赤道では300W/㎡強であるのに対し、両極では100W/㎡を下回ります。上記の画像は地球のエネルギー収支の簡略画像です。

その2:大循環と南北熱輸送

もしも、大気や海洋の運動がなく、太陽入射量と地球放射量が緯度ごとに釣り合うとすると、赤道と極の間の温度差は100K以上になると計算されますが、実際には大気や海水の地球規模の運動(これを大気大循環・海洋大循環といいます)が、低緯度から高緯度へと熱を運ぶ(これを南北熱輸送といいます)のため、地球表面の赤道と極の温度差はせいぜい50K程度です。南北熱輸送と地球放射によるエネルギーの流出は太陽入射によるエネルギー流入と釣り合います。

つまり、低緯度と高緯度での温度差が大気大循環および海洋大循環の根本原因であり、その主な役目は南北熱輸送ということです。ちなみに、地球放射量の南北差は100W/㎡程度に収まります。

その3:潜熱輸送

大気大循環や海洋大循環を理解することは大気や海洋の熱エネルギー輸送の形態を三次元的に捉えることにほかなりません。大気の熱輸送には直接熱を運ぶ顕熱輸送と、水蒸気の輸送で間接的に熱を運ぶ潜熱輸送とがあります。

気体の水蒸気は液体の水に変わるとき凝結熱を発するので、水蒸気が南から北に運ばれ、運ばれた先で凝結し降水となれば、南から北へ熱を輸送したことになるのです。大気と海洋の熱輸送の割合は2対1になります。大気は主に中緯度で、海洋は主に低緯度で、熱輸送を担っているようです。つまり大気の熱輸送には直接熱の移動がおこる顕熱輸送と、凝結熱によって間接的に熱の輸送がおこる潜熱輸送が存在するということになります。

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大気と海水の大循環は、主に温度の差が原因となっている。つまり、熱いほうから冷たいほうへ移動するという熱の基本的な移動が原因だ。

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