「針の筵」の使い方・例文
「針の筵」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.自分のミスで皆を急な残業に付き合わせてしまい、針の筵の心地だった。
2.学生時代、同じクラスの女子を泣かせてしまったことで、周囲の女子からの視線が一斉に痛くなった。あれは針の筵だったよ。
3.病気の母に暴言を吐いたことで兄は家族の中で針の筵にされたが、自業自得だと思う。
4.根も葉もない噂が会社に広がり、まるで針の筵のような思いをさせられた。
周囲の視線が痛く、居心地が悪い時に使うのが「針の筵」です。そのため例文のように、他者から指摘されるような辛い状況で用います。また意図しない非難にさらされた場合でも、例文4のように用いることが可能です。
針のような周囲の非難を受けざるを得ない状況や心情を説明する際に、「針の筵」を用いるといいでしょう。
「立つ瀬がない」
「立つ瀬(せ)がない」とは、“面目を失くして周囲に合わせる顔がない苦しい状況”を指す慣用句。「立つ瀬」とは立場や面目を意味し、それを失った状況で用いる言葉です。
周囲の目が気になり辛い状況に陥る、という点で「針の筵」の類語表現と言えます。
ただし「立つ瀬がない」は名誉が傷つくこと、世間に顔向けできないという意味合いを強く持つ言葉。そのため、周囲の非難そのものより、自分の失態やミスなど自責の念が強いニュアンスで用いられます。
「針の筵」でしっくりこない時に言い換えてみるなど、それぞれの言葉のニュアンスを使い分けるといいでしょう。
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