この記事では「目がくらむ」について解説する。

端的に言えば「目がくらむ」の意味は「目眩がする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「目がくらむ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「目がくらむ」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「目がくらむ」の意味・使い方を見ていきましょう。

「目がくらむ」の意味は?

「目がくらむ」には、次のような意味があります。

1.目まいがする。
2.強い光線などのために、一時的に視力を失う。
3.心を奪われて判断力がなくなる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目が眩む」

「目がくらむ」には3つの意味がありますので、順番に確認していきましょう。

まず、1つ目の「目まい」ですが、頭がクラクラする、もしくは情景が回転して見えるようなフワフワした感覚を「目がくらむ」と表現することができます。体調が優れない時など、症状を伝える際に用いるとよいでしょう。

次に、2つ目の「一時的に視力を失う」ですが、明るい照明を見て目がチカチカする感覚を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。人は太陽などの強い光が近づくと、一瞬視界を奪われたような感覚に襲われます。そのような感覚を「目がくらむ」と表現するとよいでしょう。

最後に、3つ目の「心が奪われて判断力がなくなる」ですが、「惑わされる」と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。理性よりも欲望が勝ってしまい、正常な判断ができなくなる状況を「目がくらむ」と表現することができます。

「目がくらむ」の使い方・例文

「目がくらむ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「目がくらむ」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.高層ビルの屋上から外を覗くと目がくらむようだ。

2.スポットライトの強烈な光に目がくらむ。

3.お金に目がくらんで、条件が厳しい仕事を引き受けてしまった。

「目がくらむ」は、体の症状や状態を伝える際によく用いられますが、「気持ち」を表す場合にも使われています。そのような場合は、何に対して心を奪われたのか、対象を説明する必要があるといえるでしょう。たとえば、心を奪われるほどの女性と出会った場合に「目がくらむような絶世の美女」と表現することができます。ほかにも「報酬に目がくらみ、仕事を引き受けてしまった」といえば、報酬金額に心を奪われて、冷静な判断ができなくなった様子を表すことができますね。

一瞬で視界を奪う強烈な光と同様に、あなたの心を奪うような人物や物に出会った際に「目がくらむ」を使ってみてください。

「目がくらむ」の類義語は?違いは?

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では、「目がくらむ」の類義語や違いをみていきましょう。

「目が回る」

「目が回る」には、2つの意味があります。1つ目は、めまいがすること。「目がくらむ」と同様の意味であり、体の症状を伝える際に用いるとよいでしょう。2つ目は、非常に忙しいこと。「目が回るほど忙しい」などと表現することができますね。あくまで「忙しさ」に対してのみ使うことができます。「目がくらむ」のように、心が奪われた時に「目が回る」とはいいません。混同しないように注意してくださいね。

「気が遠くなる」

「気が遠くなる」の意味は、意識を失うこと。または、意識が薄れていく様子を表す際に使うことができます。たとえば、手術を行う際に麻酔が効いていく感覚を「気が遠くなるような感覚」と表現することができますね。ほかにも「ぼうっとする」という意味もあることから、意識を失いそうになるほど規模が並外れていた場合に使うことができます。たとえば、「長距離マラソンを完走するなんて、気が遠くなるようだ」と表現することができますね。ほかにも、仕事で長期間に渡るプロジェクトが発表された際に「気が遠くなるような計画」と表現してもいいでしょう。

\次のページで「「惚れ惚れ」」を解説!/

「惚れ惚れ」

「惚れ惚れ」は「ほれぼれ」と読みます。「目がくらむような美女」と出会ったら、きっと「惚れ惚れ」してしまうのではないでしょうか。「惚れ惚れ」には、2つの意味があります。1つ目は、心を奪われてうっとりすること。好意を寄せている相手を遠くから眺めている状況を想像するとよいでしょう。2つ目は、ぼんやりしていること。すなわち「放心状態」だと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

「惚れ惚れ」は人物に対してだけでなく、お気に入りの物に対しても使うことができます。時間を忘れてしまうほど、うっとりと眺めてしまう人物や物に対して「惚れ惚れ」を使ってみてください。

「目がくらむ」の対義語は?

「目がくらむ」は「めまいがする」や「判断力がなくなる」という意味でした。反対の意味となると、「決断力が鈍らず動じない」となるはずです。そこで今回は、「常に落ち着ている」や「問題にしない」といった意味合いで「目がくらむ」の対義語をみていきましょう。

「泰然自若」

「泰然自若」は「たいぜんじじゃく」と読みます。意味は、ゆったりと落ち着ており、どのような物事に対しても動じないこと。「泰然自若」は、「泰然」と「自若」という2つの言葉で構成された四字熟語で、どちらも落ち着いた様子を表す言葉になります。目がくらむような物と出会えば、本来は興奮して購入を考えてしまいますよね。しかし、泰然自若とした態度をとるような人は、感情を表には出しません。何事に対しても、平常心で判断することができるでしょう。

「歯牙にも掛けない」

「歯牙(しが)にもかけない」の意味は、問題にせず無視すること。「歯牙」とは文字通り、「歯」と「牙」のことを差しています。「歯牙」が転じて、「言葉」や「口先」という意味として使われるようになりました。主に、問題にするような話題でない場合に用いられています。たとえば、彼が「目がくらむような美女」のことで、熱心に話していたとしましょう。しかし、友人は彼の言うことなど歯牙にもかけない様子。つまり、話題に興味がないということになりますね。

「目がくらむ」の英訳は?

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では、「目がくらむ」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「dizzy」

目がくらむ」や「目が回る」といった体の症状は「dizzy」を使うとよいでしょう。主に、頭がクラクラするような感覚を伝えるために用いられます。たとえば「I feel dizzy」といえば「私は頭がクラクラする」となり「目がくらむ」として使うことができるでしょう。ほかにも、目がくらむような場所のこと「a dizzy height」と表現してもいいですね。

\次のページで「「blind」」を解説!/

「blind」

「blind」は「ブラインド」と読むので、カーテンの代わりに窓に装着するブラインドを想像するかもしれませんが、こちらの単語は関係ありません。「blind」は「盲目的な」という意味から、「気づかない」や「知らない」といった意味として使われています。そのため、「blind」を過去形にして「The sunlight blinded me」といえば「太陽の光で目がくらんだ」と伝えることができるでしょう。

ほかにも「blinded by money」といえば「金に目がくらむ」と表現することができます。「blinded by ~」で「~に目がくらむ」として使えるので、何に対して惑わされたのか当てはめて伝えてみてください。

「目がくらむ」を使いこなそう

この記事では「目がくらむ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目がくらむ」は、「めまいがする」といった症状を伝える以外に、「心が奪われる」といった気持ちを一言で表すことができる慣用句です。私達は聴覚や嗅覚といった、あらゆる感覚を使って物事を判断します。そのなかでも「視覚」は、心に大きな影響を及ぼしているといえるでしょう。だからこそ、普段は冷静な人であっても、心を奪われてしまうと判断力が鈍ってしまいがちですよね。

会話もしたことがない人に好意を寄せてしまうのは、「目」すなわち「視覚」が影響しているといえます。心を一瞬で奪われるような体験をしたのならば、ぜひ「目がくらむ」を使ってみてください。

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国語言葉の意味

【慣用句】「目がくらむ」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「目がくらむ」について解説する。

端的に言えば「目がくらむ」の意味は「目眩がする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「目がくらむ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「目がくらむ」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「目がくらむ」の意味・使い方を見ていきましょう。

「目がくらむ」の意味は?

「目がくらむ」には、次のような意味があります。

1.目まいがする。
2.強い光線などのために、一時的に視力を失う。
3.心を奪われて判断力がなくなる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目が眩む」

「目がくらむ」には3つの意味がありますので、順番に確認していきましょう。

まず、1つ目の「目まい」ですが、頭がクラクラする、もしくは情景が回転して見えるようなフワフワした感覚を「目がくらむ」と表現することができます。体調が優れない時など、症状を伝える際に用いるとよいでしょう。

次に、2つ目の「一時的に視力を失う」ですが、明るい照明を見て目がチカチカする感覚を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。人は太陽などの強い光が近づくと、一瞬視界を奪われたような感覚に襲われます。そのような感覚を「目がくらむ」と表現するとよいでしょう。

最後に、3つ目の「心が奪われて判断力がなくなる」ですが、「惑わされる」と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。理性よりも欲望が勝ってしまい、正常な判断ができなくなる状況を「目がくらむ」と表現することができます。

「目がくらむ」の使い方・例文

「目がくらむ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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