今回は「マグネシウムの燃焼」について解説していきます。

マグネシウムの燃焼実験は、中学や高校の教科書にも載っている有名な実験です。ですが、そのメカニズムや関連する身近な事例は、あまり知られてない。今回は、このような部分も徹底解説していきます。ぜひ、この機会にマグネシウムの燃焼についての知識を身につけてくれ。

化学に詳しいライター通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。

マグネシウムの燃焼について学ぶ前に

マグネシウムの燃焼について学ぶ前に、マグネシウムとはどのような物質であるか、燃焼とはどのような現象であるかの2点を確認しておきましょう。マグネシウムと他の金属元素の違いや燃焼の定義などに注目してみてくださいね。このようなことを理解しておくことで、マグネシウムの燃焼についての学習がスムーズに進むはずですよ

理解しずらいような部分は、具体的な例なども併せて説明します。難しい用語や言葉は、具体例を一緒に覚えてしまうというのが、おすすめです。それでは、マグネシムと燃焼についての説明を始めますね。

マグネシウムとは?

image by iStockphoto

マグネシウムは、金属の1種で、アルカリ土類金属という金属に分類されますマグネシウムの密度は、金属の中で比較的小さいことが知られています。また、マグネシウムは銀白色の金属で、現在、主な原産国は中国やロシアです

マグネシウムは、他の物質と反応しやすいので、自然界では単体として存在することはできません。自然界では、塩化物や酸化物、水酸化物といった形で存在していますよ。また、マグネシウムは海水中にも、多く存在します

燃焼とは?

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燃焼とは、ものが燃える現象のことをさします。では、ものが燃えるということの定義を考えてみましょう。一般的には、有機物などの可燃物が光や熱を放出しながら高速で酸素と結合することを、燃焼と呼びます燃焼というと、炎を想像する方も多いかもしれませんが、燃焼の際に必ず炎が見られるという訳ではありません。例えば、線香が燃えるときには、炎は見えませんよね。

また、人間が体内で栄養分を消化し、細胞で呼吸を行うという現象も燃焼に含む場合があります。細胞の呼吸では、栄養分に含まれる有機物を酸化し、体温維持に必要な熱などを取り出しますよ。このような理由から、細胞の呼吸も燃焼であると捉えることもできるのですね。

\次のページで「マグネシウムの燃焼について詳しく学ぼう!」を解説!/

マグネシウムの燃焼について詳しく学ぼう!

それでは、本題であるマグネシウムの燃焼について学んでみましょうマグネシウムが燃焼するときの化学変化の様子や、実際に燃焼実験を行う際の操作および注意点に焦点を当てて、解説していきます。化学反応式も登場するので、必ず確認してくださいね。

そして、今回は空気中で行うマグネシウムの燃焼実験だけでなく、水の中や二酸化炭素の中で行うマグネシウムの燃焼実験についても説明します。水の中や二酸化炭素の中でものが燃えるという不思議な現象の謎を解明していきますよ!

空気中での燃焼

空気中での燃焼

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まずはマグネシウムを空気中で燃焼させる実験を考えてみましょう。ステンレス耐熱皿などにマグネシウムリボンまたは粒子状マグネシウムをのせて、ガスバーナーで加熱を行いますよマグネシウムは、燃焼する際、非常に強い光を発しますこの光によって目をいためてしまう危険性があるので、光は直視しないようにしましょう

マグネシウムが空気中で燃焼するという反応を化学反応式で表現すると、2Mg+O2→2MgOとなります。燃焼時に消費される気体の酸素は、空気中に含まれているものですよ。また、燃焼後に生じる酸化マグネシウムの色は白色です金属の酸化物のほとんどが黒色であることから、例外的な存在であることがわかりますね

そして、化学反応式を見ると、もう1つ気が付くことがあります。それは、マグネシウムの燃焼時に、二酸化炭素が発生しないことですものを燃やすと二酸化炭素が発生するというイメージがありますが、必ずしもそのようになる訳ではないのですね。マグネシウムのような無機物が燃焼する際は、二酸化炭素の発生を伴わないことが多いのです。

水中での燃焼

水中での燃焼

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次に、水中でマグネシウムを燃焼させる実験について考えましょう。水を沸騰させ、その中に火をつけたマグネシウムを入れます。普通、燃えているものを水の中に入れると、火は消えますよねですが、マグネシウムは沸騰水の中であっても燃え続けます

物が燃焼するためには、酸素が必要です。水中でマグネシムが燃焼するときには、水分子に含まれている酸素原子を消費します。この反応は、Mg+H2O→MgO+H2という化学反応式で表すことができますよ。燃焼後は、酸化マグネシウムのほかに、水素が生じるのですね。また、酸化マグネシウムの一部は、さらに水と反応し、水酸化マグネシウムという化合物に変化しますよ

このような性質をもつマグネシウムが原因で火災が発生すると消火が困難になります。普通の火事と同じように、水で消火することができないからですね。マグネシウムを扱っている工場で発生した火災を沈静化させるまでに、1か月以上の時間を要したという事例もあるほどです。

二酸化炭素中での燃焼

二酸化炭素中での燃焼

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続いて、二酸化炭素中でマグネシウムを燃焼させる実験について解説します。二酸化炭素を集気びんなどに充満させ、その中に火をつけたマグネシウムを入れますよ。二酸化炭素は、炭酸カルシムに塩酸を加えると作ることができます。燃えているものを二酸化炭素の中に入れると、ほとんどの場合、火は消えますよねですが、マグネシウムは二酸化炭素の中でも燃え続けるのです

二酸化炭素中におけるマグネシウムの燃焼は、2Mg+CO2→2MgO+Cという化学反応式で表現できます。マグネシムが、二酸化炭素に含まれる酸素原子を奪うことで、反応が進むのですねマグネシムは、空気中に存在する酸素だけでなく、他の化合物に含まれる酸素原子を使用して燃焼する能力もあるのです

\次のページで「マグネシウムの燃焼反応に関する話題」を解説!/

マグネシウムの燃焼反応に関する話題

最後に、マグネシウムの燃焼反応に関する話題を紹介します。ここでは、マグネシウムの燃焼反応を利用した身近な技術について説明しますね。今から紹介する技術は、過去に利用されていたものであり、現在はほとんど活用されていません。

ですが、マグネシウムの燃焼反応についての理解を深めるための良い助けになるようなお話ですので、紹介しようと思います。前の章で説明した内容を思い出しながら、読んでみてくださいね。

フラッシュとしての活用

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暗い場所の写真や輪郭のはっきりした写真を撮りたいときには、カメラのフラッシュ機能が、非常に便利です。現在は、ほぼすべてのカメラにフラッシュ機能がついています。スマートフォンのカメラにも、フラッシュ機能がありますよね。これらは、いずれも電気式のフラッシュです。しかしながら、かつては電気式のフラッシュ技術は存在しませんでした

電気式のフラッシュが登場する前は、マグネシウムを主成分とする閃光粉というものを燃やして、フラッシュにしていましたマグネシウムが燃焼するときに発する強い光を、フラッシュとして利用していたのですね。フラッシュを使用することを、「フラッシュを焚く」と表現することがありますが、これは閃光粉を燃やしていた(焚いていた)時代の名残りなのです

マグネシウムの燃焼を理解しよう!

マグネシウムの燃焼実験は、多くの中学校の理科の教科書や高校の化学の教科書にも、載っている有名な実験です。試験にも頻繁に出題される部分ですので、多くの人が見覚えのあることと思います。ですが、化学反応式を丸覚えすることで試験は乗り切れてしまうため、メカニズムや身近な事例までを理解している人は少ないようです。

せっかく学習するのなら、メカニズムや身近な事例も知っていただきたいと思い、この記事を書きました。ぜひ、この記事を読んでマグネシウムの燃焼について深く理解してみてください。もちろん、大人の方も、豆知識として学びなおして損はありませんよ!

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化学無機物質理科

3分で簡単「マグネシウムの燃焼」実験方法やメカニズムを理系学生ライターがわかりやすく解説!

今回は「マグネシウムの燃焼」について解説していきます。

マグネシウムの燃焼実験は、中学や高校の教科書にも載っている有名な実験です。ですが、そのメカニズムや関連する身近な事例は、あまり知られてない。今回は、このような部分も徹底解説していきます。ぜひ、この機会にマグネシウムの燃焼についての知識を身につけてくれ。

化学に詳しいライター通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。

マグネシウムの燃焼について学ぶ前に

マグネシウムの燃焼について学ぶ前に、マグネシウムとはどのような物質であるか、燃焼とはどのような現象であるかの2点を確認しておきましょう。マグネシウムと他の金属元素の違いや燃焼の定義などに注目してみてくださいね。このようなことを理解しておくことで、マグネシウムの燃焼についての学習がスムーズに進むはずですよ

理解しずらいような部分は、具体的な例なども併せて説明します。難しい用語や言葉は、具体例を一緒に覚えてしまうというのが、おすすめです。それでは、マグネシムと燃焼についての説明を始めますね。

マグネシウムとは?

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マグネシウムは、金属の1種で、アルカリ土類金属という金属に分類されますマグネシウムの密度は、金属の中で比較的小さいことが知られています。また、マグネシウムは銀白色の金属で、現在、主な原産国は中国やロシアです

マグネシウムは、他の物質と反応しやすいので、自然界では単体として存在することはできません。自然界では、塩化物や酸化物、水酸化物といった形で存在していますよ。また、マグネシウムは海水中にも、多く存在します

燃焼とは?

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燃焼とは、ものが燃える現象のことをさします。では、ものが燃えるということの定義を考えてみましょう。一般的には、有機物などの可燃物が光や熱を放出しながら高速で酸素と結合することを、燃焼と呼びます燃焼というと、炎を想像する方も多いかもしれませんが、燃焼の際に必ず炎が見られるという訳ではありません。例えば、線香が燃えるときには、炎は見えませんよね。

また、人間が体内で栄養分を消化し、細胞で呼吸を行うという現象も燃焼に含む場合があります。細胞の呼吸では、栄養分に含まれる有機物を酸化し、体温維持に必要な熱などを取り出しますよ。このような理由から、細胞の呼吸も燃焼であると捉えることもできるのですね。

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