

石油製品とは、採掘される原油から作られる製品の総称だ。石油製品には、ビニール袋などのプラスチック製品から自動車の燃料であるガソリンまで、多種多様なものが存在する。この記事では、石油製品がどのように作られるのか、石油製品にはどのような種類のものがあるのかということを中心に解説していくぞ。ぜひ、この機会に石油製品についての理解を深めてみてくれ。
化学に詳しいライター通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。
石油製品について学ぼう!

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私たちの生活を支える重要な資源の1つに石油があります。自動車やバイクはガソリンを燃焼させて走りますよね。一部の火力発電は、石油を燃料にします。また、ペットボトルやビニール袋などのプラスチック製品、合成繊維で作られた衣服も石油が原料です。
今回は、採掘された石油が私たちにとって身近な場所に届くまで、どのような過程を経るのかということを説明していきます。そして、石油製品にはどのようなものがあるのかを学びましょう。具体的な例も数多く紹介するので、ぜひ読んでみてください。
石油製品とは?

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まずは、石油製品の定義について確認しておきましょう。石油製品とは、採掘された原油から様々な加工を通して製造される有益な物質のことをさしますよ。この中には、ガソリンなどの燃料になるものやナフサなどのプラスチックの原料になるものが含まれています。
また、このような有機物だけでなく、不純物として含まれる硫黄や加工の際に排出される水素も石油製品としてとらえる場合もありますよ。特に、近年は、燃料電池を稼働するために必要な水素への注目が集まっているようです。

原油をもとにして作られる製品はすべて石油製品だ。
石油の精製
採掘される原油は、炭化水素を中心とした多種多様の有機物が混合した状態になっています。このままでは、工業的には使いづらい状態にあります。そこで、原油に含まれる有機物を5つのグループに分けるのです。この作業が、石油の精製ですよ。
石油の精製では、沸点の差を利用して、有機物を仕分けます。このとき、蒸留(分留)装置を使用しますよ。沸点の低い順に、石油ガス、ナフサ、灯油、軽油、残油の5種類に分けられます。その後、残湯は重油とアスファルトに分けられますよ。また、ナフサも熱分解によって、さらに多くの種類に分けられます。ナフサの分解は次の節で解説しますね。

沸点の異なる物質を分けるときには、蒸留(分留)という手段を使うぞ。