この記事では「金枝玉葉」について解説する。

端的に言えば金枝玉葉の意味は「天皇の一族」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「金枝玉葉」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「金枝玉葉」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「金枝玉葉(きんしぎょくよう)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「金枝玉葉」の意味は?

「金枝玉葉」には、次のような意味があります。

天皇や天子の一族・子孫のたとえ。また、美しい雲の形容。その他、花樹の枝葉が黄金や珠玉のように美しく茂る意としても用いられる。

出典:四字熟語辞典(学研)「金枝玉葉」

「金枝玉葉」とは天皇や天子(てんし)の一族をたとえる四字熟語です。天子とは中国の王のことで、日本でいう天皇にあたります。

もともと「金」は“黄金”、「玉」は“珠玉(しゅぎょく)”を意味し、どちらも身分が高く美しいことを指す言葉。「枝」「葉」は、花の生い茂る様子から“子孫”や“一族”のたとえています。このため、高貴で美しいものが繁栄することをたとえて、天皇や天子の一族、子孫を指す言葉が「金枝玉葉」です。

また「金枝玉葉」という本来の文字通り、花や樹木の枝葉が美しく生い茂る様子や、美しい雲が広がる様子という意味も持っています。

なお「玉葉金枝(ぎょくようきんし)」ということもありますが、意味は同じです。

「金枝玉葉」の語源は?

次に「金枝玉葉」の語源を確認しておきましょう。

崔豹(さいひょう)という中国の人物が晋の時代に、さまざまな事や物を紹介した『古今注(ここんちゅう)』という解説書。この中の「輿服(よふく)」という項に「金枝玉葉」という記述があり、これが由来だと言われています。

その後は中国の書物をはじめ、日本の文学などにも用いられるようになりました。

\次のページで「「金枝玉葉」の使い方・例文」を解説!/

「金枝玉葉」の使い方・例文

「金枝玉葉」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女には普通の人とは異なる気品があると思っていたが、彼女の血筋をたどると金枝玉葉に連なる方がいると聞いて納得した。
2.金枝玉葉の結婚がニュースで報道された。もともと国民からは婚約者の評判も高く、無事婚礼を迎えられたことで今は国内がお祝いムードになっている。
3.金枝玉葉は年齢問わずに国民から慕われる一方、プライベートな情報もマスコミに報道され注目を浴びてしまう。
4.天皇陛下をはじめとした金枝玉葉の方々が並ぶ姿を一目見ようと、その祭典には長い行列ができたと聞く。
5.桜の花が金枝玉葉のように輝き、この世のものとは思えない美しさだった。
6.山頂から、まさに金枝玉葉と言える美しい雲が流れていくのを眼下に見たことが忘れられない。

「金枝玉葉」とは高貴で気品ある様子から、天皇や天子の一族をたとえる言葉。報道番組などで耳にすることもあるかもしれません。皇室をオブラートに表現する際に用いられることもあり、例文1~4のように使われます。

また例文5のように文字通りの意味で“植物の美しさ”を描写するときや、例文6のように“美しい雲”という意味で使用することも可能です。

前後の文脈に合わせて、うまく使い分けるようにしましょう。

「金枝玉葉」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「金枝玉葉」と似た意味を持つ類義語について見ていきましょう。

「瓊枝玉葉」

「瓊枝玉葉」は、「けいしぎょくよう」と読む四字熟語。“天皇の一族や子孫”や、“高貴な家の子供”を意味する言葉です。

「瓊(けい)」とは美しく光りかがやく玉を指し、「金枝玉葉」と同義の言葉として挙げられます。

ただし、風景描写には一般的に用いないことと、天子や天皇一族でなくとも“高貴な身分の子”に用いられることが「金枝玉葉」とは異なる点です。違いに注意して使うようにしましょう。

\次のページで「「金枝花萼」」を解説!/

「金枝花萼」

「金枝花萼(きんしかがく)」“天皇の一族や子孫”をたとえた意味の四字熟語。「萼(がく)」とは、植物の花を構成する一番外側の部分のことです。

“天皇の一族や子孫”をたとえた言葉として、「金枝花萼」も「金枝玉葉」同様の意味を持つ類語表現のひとつと言えます。

このように使う言葉や響きに違いはありますが、どの言葉も気品や美しさからたとえとして生まれた四字熟語です。状況や好みに合わせて使うようにするといいでしょう。

「金枝玉葉」の英訳は?

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最後に「金枝玉葉」の英語表現を確認していきましょう。

「member of the Imperial family」

「member of the Imperial family」は、日本語で言う“皇族”のこと。「imperial」とは“皇帝の~”や“帝国の~”といった意味を持つ言葉です。

そのため、“天皇の一族”という意味で「金枝玉葉」を表現したいのであれば、「member of the Imperial family」を用いるのがいいでしょう。

また他にも、“王家の~”という意味を持った「royalty」という単語を用いることもできます。単語数を少なく、端的に表現したい場合は、こちらを使うのもおすすめです。

「beautiful clouds」

「金枝玉葉」を、美しい雲のことを言うのであれば「beautiful clouds」と英訳できます。

「cloud」は“雲”のことを表す英単語。天皇の一族ではなく、風景のことを描写する際はこの表現で充分伝わります。

同じ「金枝玉葉」の英語訳であっても、自分が表現したい内容に応じて英語の表現も使い分けるといいでしょう。

「金枝玉葉」を使いこなそう

この記事では「金枝玉葉」の意味・使い方・類語などを説明しました。

皇族のことを自ら口にする機会は少ないかもしれませんが、そんな時は美しい雲や樹を見た時に使ってみましょう。上品な印象が与えられるかもしれませんよ。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「金枝玉葉」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「金枝玉葉」について解説する。

端的に言えば金枝玉葉の意味は「天皇の一族」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「金枝玉葉」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「金枝玉葉」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「金枝玉葉(きんしぎょくよう)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「金枝玉葉」の意味は?

「金枝玉葉」には、次のような意味があります。

天皇や天子の一族・子孫のたとえ。また、美しい雲の形容。その他、花樹の枝葉が黄金や珠玉のように美しく茂る意としても用いられる。

出典:四字熟語辞典(学研)「金枝玉葉」

「金枝玉葉」とは天皇や天子(てんし)の一族をたとえる四字熟語です。天子とは中国の王のことで、日本でいう天皇にあたります。

もともと「金」は“黄金”、「玉」は“珠玉(しゅぎょく)”を意味し、どちらも身分が高く美しいことを指す言葉。「枝」「葉」は、花の生い茂る様子から“子孫”や“一族”のたとえています。このため、高貴で美しいものが繁栄することをたとえて、天皇や天子の一族、子孫を指す言葉が「金枝玉葉」です。

また「金枝玉葉」という本来の文字通り、花や樹木の枝葉が美しく生い茂る様子や、美しい雲が広がる様子という意味も持っています。

なお「玉葉金枝(ぎょくようきんし)」ということもありますが、意味は同じです。

「金枝玉葉」の語源は?

次に「金枝玉葉」の語源を確認しておきましょう。

崔豹(さいひょう)という中国の人物が晋の時代に、さまざまな事や物を紹介した『古今注(ここんちゅう)』という解説書。この中の「輿服(よふく)」という項に「金枝玉葉」という記述があり、これが由来だと言われています。

その後は中国の書物をはじめ、日本の文学などにも用いられるようになりました。

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