
「獅子の子落とし」の対義語は?
「獅子の子落とし」とは、子に厳しい試練を与えて立派に育てること。そんな「獅子の子落とし」と反対の意味とはどのような言葉になるでしょうか。ここでは対義語を確認していきます。
「親の甘茶が毒となる」
「親の甘茶が毒となる(おやのあまちゃがどくとなる)」とは、親が子供を甘やかして育ててもその子のためにならず、かえって将来毒となる、ということ。可愛がるだけが子のためではなく、時には厳しさも必要だという意味で用いられることわざです。
「獅子の子落とし」が厳しいしつけの様子をたとえているのに対し、「親の甘茶が毒となる」は甘やかした様子をたとえている点で、反対の表現と言えるでしょう。ただし、教育には厳しさも必要であるという本質的な意味では「獅子の子落とし」と同義の表現とも言えます。
なお「親の甘いは子に毒薬」ということわざもありますが、これも「親の甘茶が毒となる」とほぼ同義の言葉です。関連語句として覚えておきましょう。
「Spare the rod and spoil the child.」
「Spare the rod and spoil the child.」とは、直訳すると“鞭(むち)を惜しんでは子供はダメになる”という意味の英語のことわざ。この「and」は仮定に対する順接の用法で、“~をすると”という意味になり、「spare」は動詞で“~を(惜しんで)使わない”という意味、「rod」は“鞭”、「spoil」は“~を甘やかす”という意味をそれぞれ持ちます。
そのため上述のような直訳になり、転じて“子供を思うのであれば厳しさも必要だ“という意味で用いられることわざです。
「獅子の子落とし」と同様の言葉として、英語で表現したいときはこの表現を用いるといいでしょう。

「獅子の子落とし」や「可愛い子には旅をさせよ」は、時に親の子離れのため、戒めの意味として使うこともある。いずれにしても甘やかすだけが教育だけではないという意味で、一般的に使われる言葉だ。言葉の意味の重要性も理解したうえで覚えるようにしておこう。
「獅子の子落とし」を使いこなそう
この記事では「獅子の子落とし」の意味・使い方・類語などを説明しました。
可愛い子につらい思いや苦しい思いをさせるのは、親心としても大変なもの。つい甘やしたくなることもあるでしょう。ですが、可愛いからこそ、試練も乗り越えることを信じて待つのことも必要なのではないでしょうか。
厳しい試練とは子供だけでなく、親にとっても同じく試練なのかもしれませんね。