この記事では「思いも寄らない」について解説する。

端的に言えば「思いも寄らない」の意味は「想像できない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「思いも寄らない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「思いも寄らない」の意味・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「思いも寄らない」の意味・使い方を見ていきましょう。

「思いも寄らない」の意味は?

「思いも寄らない」には、次のような意味があります。

思いつきもしない。全く予想しない。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「思いも寄らない」

誰しも、予想していなかった出来事に遭遇することはあるのではないでしょうか。「思いも寄らない」は「思い」と「寄らない」の2つの言葉から構成されている慣用句です。「寄る」には、気持ちが傾くという意味もあり、「ない」と否定文にすることで動揺した気持ちを表しているといえるでしょう。

よくある間違いで「思いもつかない」があります。閃いた時に「思いつく」と表現することはありますが、「思いもつかない」という使い方はほとんどの辞書で認められていません。「想像できない」気持ちを表すならば「思いも寄らない」を使うべきだといえます。間違えないように注意してください。

「思いも寄らない」の使い方・例文

「思いも寄らない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「思いも寄らない」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.思いも寄らない試合結果に、サポーターは驚きを隠せない。

2.彼がシナリオライターになるなんて、思いも寄らなかった。

3.彼女は思いも寄らない方法で問題を解決していく。

「思いも寄らない」は、「驚き」や「動揺」といった気持ちを表す際に便利な慣用句です。主に驚愕した時に用いるとよいでしょう。

たとえば、試合で明らかに優勢な立場にいたとします。このまま試合終了時間を迎えれば、勝利は決まったようなもの。ところが、敵チームが予想を上回る快進撃をみせて、試合終了間際に続けて点が入ってしまい、最終的には負けてしまいました。「思いも寄らない展開に動揺を隠せなかった」と、心境を表すことができます。ほかにも「負けるとは思いも寄らなかった」と表現してもいいですね。自分の想像を超える出来事が起きた、もしくは意外な結末になった場合に「思いも寄らない」を使ってみてください。

「思いも寄らない」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

では、「思いも寄らない」の類義語や違いをみていきましょう。

「思いがけない」

「思いがけない」と「思いも寄らない」は、似ているようで若干ニュアンスが違います。「思いも寄らない」は「予期できない」こと。「思いがけない」は「予期しない」という意味になります。「できない」と「しない」では、行動で考えれば大きな違いがあるといえるではないでしょうか。

たとえば、久しぶりに昔の常連客が店に尋ねてきたとします。そのような場合に「思いがけない訪問客に驚いた」と表現することができますね。「思いも寄らない」は予想を超えることですが、「思いがけない」は予想すらしていない、もしくは考えていなかった出来事に遭遇した場合に使うことができます。「意外」だと感じた時に「思いがけない」を使ってみてください。

「思いの外」

「思いの外(ほか)」は、「思いも寄らない」と比べれば「意外性」が弱い状況で用いられることが多いといえるでしょう。「思いの外」の意味は、予想と違っていること。とくに仕事では、ある程度予想をしながら行動しているはずです。たとえば、売上を期待していなかった店舗があったとしましょう。帳簿を確認したところ「思いの外、売上が伸びていて驚いた」と表現することができますね。

また、一般的には副詞的に用いられることが多いため、「思いの外」だけで使われることはありません。「思いの外、車内は混んでいた」というように、必ず状態を表す言葉を付け加えて使うようにしてください。

\次のページで「「思いも寄らない」の対義語は?」を解説!/

「思いも寄らない」の対義語は?

「思いも寄らない」の意味は「予想できない」でした。反対の意味となると「予想できる」となるはずです。そこで今回は、「思ったとおりになる」もしくは「予想していたとおり」といった意味合いで「思いも寄らない」の対義語をみていきましょう。

「思い通り」

「思い通り」は、日常会話でよく使われている言葉ではないでしょうか。意味は文字通り、思っていた通りになること。考えていたとおりに物事を片付けることができたなら、「思い通りにできた」と表現することができますね。

「案の定」

「案の定」は「あんのじょう」と読みます。意味は、予想していた通りに物事が運ぶこと。「やっぱり」といった感覚で使うとよいのではないでしょうか。「案の定、彼は昇進した」というように、予想通りの結果になった場合に使ってみてください。

「想定内」

想定(そうてい)」とは、状況や条件を仮に設定しておくこと。つまり、事前に予想していることになりますね。「想定内」の意味は、予想した範囲に物事が収まっていること。主にビジネス関連でよく使われている言葉です。たとえハプニングが起きたとしても、「想定内」のアクシデントであれば焦ることはありません。職場がパニックにならないように、できるだけ事前に物事を予想しておくことは大切だといえますね。ちなみに、「想定内」の対義語は「想定外」になります。状況に合わせて使い分けてみてください。

「思いも寄らない」の英訳は?

image by iStockphoto

では「思いも寄らない」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「unimaginable」

unimaginable」は「想像を絶する」という意味の単語になります。「思いも寄らない」は、考えもつかない出来事に対して使われるので、「unimaginable」を「思いも寄らない」として使うことができるでしょう。ちなみに「un」は、日本語で表すならば「不」という扱いになるため、「imaginable」だけにすれば「想像できる」という意味になります。

\次のページで「「unexpected」」を解説!/

「unexpected」

「expect」は「予期する」という意味。「unexpected」は「expect」の過去形で「予期しない」や「意外」という意味になります。「un」を付け加えることによって「思いも寄らない」として使うことができるでしょう。「思いも寄らない出来事」を英訳するならば「unexpected event」と表現することができますね。

「思いも寄らない」を使いこなそう

この記事では「思いも寄らない」の意味・使い方・類語などを説明しました。「思いも寄らない」は、予想もしていなかった出来事に対して、衝撃を受けた気持ちを一言で表すことができる慣用句です。「予想もしていなかった」とシンプルに表現してもよいかもしれません。しかし、多くの言葉を頭に入れておくことで、相手に合わせて使い分けることができます。とくに、会社では語彙力を試される機会が非常に多いのではないでしょうか。

「思いも寄らない」場面は、意外と多くあるものです。目上の人に報告する機会があるならば、「思いも寄らない出来事で非常に驚いています」というように、敬語にして使ってみてください。

" /> 【慣用句】「思いも寄らない」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説! – ページ 3 – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「思いも寄らない」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

「思いも寄らない」の対義語は?

「思いも寄らない」の意味は「予想できない」でした。反対の意味となると「予想できる」となるはずです。そこで今回は、「思ったとおりになる」もしくは「予想していたとおり」といった意味合いで「思いも寄らない」の対義語をみていきましょう。

「思い通り」

「思い通り」は、日常会話でよく使われている言葉ではないでしょうか。意味は文字通り、思っていた通りになること。考えていたとおりに物事を片付けることができたなら、「思い通りにできた」と表現することができますね。

「案の定」

「案の定」は「あんのじょう」と読みます。意味は、予想していた通りに物事が運ぶこと。「やっぱり」といった感覚で使うとよいのではないでしょうか。「案の定、彼は昇進した」というように、予想通りの結果になった場合に使ってみてください。

「想定内」

想定(そうてい)」とは、状況や条件を仮に設定しておくこと。つまり、事前に予想していることになりますね。「想定内」の意味は、予想した範囲に物事が収まっていること。主にビジネス関連でよく使われている言葉です。たとえハプニングが起きたとしても、「想定内」のアクシデントであれば焦ることはありません。職場がパニックにならないように、できるだけ事前に物事を予想しておくことは大切だといえますね。ちなみに、「想定内」の対義語は「想定外」になります。状況に合わせて使い分けてみてください。

「思いも寄らない」の英訳は?

image by iStockphoto

では「思いも寄らない」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「unimaginable」

unimaginable」は「想像を絶する」という意味の単語になります。「思いも寄らない」は、考えもつかない出来事に対して使われるので、「unimaginable」を「思いも寄らない」として使うことができるでしょう。ちなみに「un」は、日本語で表すならば「不」という扱いになるため、「imaginable」だけにすれば「想像できる」という意味になります。

\次のページで「「unexpected」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: