維管束植物の多様化
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維管束は、シダ植物および種子植物の茎・根・葉などの器官の内部を貫く条束状の組織系であり、水や養分を植物の体内中に運ぶ重要な役割をしています。維管束は、シダ植物および種子植物の茎・根・葉などの器官の内部を貫く条束状の組織系であり、水や養分を植物の体内中に運ぶ重要な役割をしていますよ。
これらの植物はそのため維管束植物と呼ばれ、維管束をもたないコケ植物や藻類などと区別されます。ではなぜ、コケ類や藻類は維管束を持っていないのでしょうか。藻類は水中に生息し、養分も水に溶けているものを利用します。藻類はこれらを体の表面から吸収していますので、維管束が必要ないのです。コケも同じように体の表面から水と養分を吸収します。つまりこれらは水中、または水辺に依存しているので維管束を持たなくていいのです。陸上植物は水中生活をしていた緑藻類のあるものが地上に侵出して進化したものであると一般に考えられ、最も古い維管束植物は4億年前の地層から出土していますよ。
陸上では、水分の確保が難しいので、根で水を確保して全体に行きわたらせるための道管や師管が必要です。また陸上で立ち上がって日光を確保するにも維管束が必要ですよ。植物体の一部が地中に、他の部分が空中にあるという体勢を維持するためには、機械的な支持構造と、水分や体内物質が移動して乾燥から身を守り、必要な養分を供給する機構が必要なのですよ。維管束はこれらの機能を同時に果たす組織であるといえます。
このように、維管束の構造と機能はその生活様式や環境と密接な関係があるのです。
陸上植物の特徴と分類
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陸上植物は、これまで知られているすべての種をあわせても、30万種にも満たないのですが、そのうちの25万種は被子植物なのです。被子植物に比べてかなり少ない裸子植物は、1千種類ほどしかないのにも関わらず、現生する4つすべての群(針葉樹類、ソテツ類、イチョウ類、グネツム類)のそれぞれが被子植物と同等の分類単位として比較できるほど際立った特徴を持っています。このことから言えることは、裸子植物が被子植物よりも古い時代に多様化したのに、その一つから分化した被子植物が急速に多様性を増して繁栄して、本家の裸子植物が衰退していったということを反映していますよ。
植物の分類
1.種子植物
1-1.被子植物:胚珠が子房に包まれている植物のことですね。
1-1-1.双子葉類:子葉が2枚。維管束が整っている。主根・側根がある。:サクラ、タンポポ、バラ、アサガオ、キク、ナデシコなど。
1-1-2.単子葉類:子葉が1枚。維管束がバラバラ。ひげ根。:ユリ、ツユクサ、トウモロコシなど。
また、他の記事でも触れていますが、ツツジのように花びらが一枚にくっついているのが合弁花、アブラナ(菜の花としても言われますね)のように一枚一枚別々になっているのが離弁花ですよ。
1-2.裸子植物:胚珠がむき出しな植物のことですね。:スギ、イチョウ、マツなど。
2.胞子で増える植物
2-1.コケ類:根、茎、葉の区別がなく、維管束がありません。ゼニゴケ、スギゴケなど。
2-2.シダ類:根、茎、葉の区別があり、維管束があります。ゼンマイ、ワラビ、ソテツなど。
植物の進化から見る植物とは
植物はかつては水中でのみ生きられていましたが、水中から陸上へと生活圏を拡大してきました。陸上植物は、陸上で行われる光合成、二酸化炭素の吸収、酸素の産出などのような物質生産の主体であるばかりでなく、その生産に依存する動物や菌類などの生物群とともに、陸上の環境を変化させ、多様な生態系を生み出しました。植物は、人類の生活を直接にも間接的にも抱えている重要な資源です。化石燃料も遠い昔の現在の植物の祖先の化石が原料となっているので、そのほとんどの起源を植物の光合成に求めることができますよ。植物や植物に関わる生物の進化から考えてみると、これらがいかにしてつながっているか知ることができますね。