終期とは?
終期には、移動を終えた染色体が解けて細い紐状になったり、消失していた核膜が再生したりします。これらのステップを終えることで、ようやく細胞全体の分裂である細胞質分裂に進むことができるというわけです。
間期 → DNA量(染色体)が2倍になる期間です。
前期 → 染色体の移動に必要な紡錘体が形成されます。
前中期 → 紡錘体から伸びる紡錘糸が、染色体の動原体に結合するのが前中期です。
中期 → 染色体が赤道面に並びます。
後期 → 染色体が細胞の両極へと移動する期間でした。
終期 → 染色体が紐状になり、核膜が再生します。
細胞質分裂期とは?
核分裂を終えた細胞は、いよいよ2つに分裂する細胞質分裂を行います。
前述したように、動物細胞では、細胞の中心がくびれて切断されることで細胞が2分されますが、これには、多数のタンパク質からなる収縮環と呼ばれる構造が大きく関わっており、この収縮環が細胞膜との間で相互作用することで、くびれを引き起こす元となる収縮や、分裂のための溝が形成されるというわけです。
植物細胞では動物細胞とは異なり、細胞がくびれて切断されるということは起こりません。細胞のちょうど真ん中あたりに、しきりとなる細胞板が形成され、これが細胞壁と合体することで完全に細胞を2分するというわけです。この細胞板は、ゴルジ体に由来するエンドソーム(細胞外の物質を細胞内へ輸送する役割を持つ)が細胞内に細胞壁を運び込むことで作られます。
細胞分裂の観察
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最後に、簡単に細胞分裂の観察ができる方法を紹介しますね。
観察する資料としては、通常は玉ねぎの根の先端部分が使われます。玉ねぎの根の先端部分では、根を伸ばすために非常に盛んに分裂が行われており、このため、細胞分裂の様々なフェイズを確認することが容易であることが資料に選ばれる理由です。
玉ねぎの根の先端を回収したら、まずは60度程度に温めた塩酸に浸します。これにより、細胞どうしの結合が弱まり、バラバラになった細胞を観察しやすくなるというわけです。続いて、染色体に色をつけるための染色液(酢酸オルセイン液等)を用います。最後に、スライドガラスとカバーガラスで挟んでプレパラートを作れば終了です。これを光学顕微鏡で観察すると、細胞分裂の様々なフェイズを見ることができます。
正しい細胞分裂には複数の過程が必要
今回は体細胞分裂について解説しました。
分裂後の細胞それぞれが正しく機能するためには、分裂の段階で様々なステップを経ることが重要でした。それらの意味をよく理解すると、細胞分裂の全体像がより頭に入ってくるかもしれないですね。
イラスト利用元:いらすとや