時系列で見る体細胞分裂
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体細胞分裂を構成する核分裂と細胞質分裂の概要が分かったところで、今度は体細胞分裂の過程を時系列的に見ながら解説していきます。どのような反応が、どのタイミングで行われているかに注意して見ていきましょう。
間期とは?
体細胞分裂の準備は、間期と呼ばれる状態の時に起こります。間期には、前述の核分裂のための準備が行われ、DNA量が2倍、すなわち染色体の数も2倍となった状態が作られるというわけです。
ヒトをはじめとする哺乳類では、この間期にかかる時間は約24時間とされています。
前期とは?
前期は分裂の最初の段階であり、核の中で2倍量となった染色体を等しく分配するための準備期間というわけです。
まずは中心体と呼ばれる構造が細胞の端と端へ移動していきますが、この中心体にはその後、微小管と呼ばれる構造が結合し、紡錘体という構造へと形を変えます。この紡錘体が、後に染色体を引っ張ることで、染色体の等しい分配が起こるというわけです。
前中期とは?
続いて起こる前中期では、染色体を包んでいた核膜が崩壊し、いよいよ染色体が分裂する準備が行われます。紡錘体からは紡錘糸と呼ばれる細い構造が伸びてきて、染色体のちょうど真ん中あたりに存在する動原体に結合することで染色体の移動を可能にするというわけです。
中期とは?
中期には、紡錘糸の結合した染色体が、細胞のちょうど真ん中である赤道面に並び、中期プレートが形成されます。全ての染色体が正しく赤道面に並ぶことが非常に重要で、これを経て、染色体は細胞の両極へと分配されるというわけです。染色体が適切に分配されないということが起こらないようにするために、紡錘体チェクポイントという機構が働いていることも覚えておきましょう。
後期とは?
続く後期には、赤道面に並んでいた染色体が紡錘体に引っ張られることで細胞の両極へと移動していきます。この引っ張られる機構は、動原体に結合した紡錘糸が切れたりくっついたりを繰り返しながら短くなっていることに由来するというわけです。
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