
中学校の理科で観察したり、高校の生物で学習したりしたために、用語は覚えているが、詳しい内容までは覚えていないという人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな体細胞分裂ついて、時系列的に追いながら、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。
ライター/AEON2
東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。
体細胞分裂とは?

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今回は、体細胞分裂をテーマに見ていきましょう。
体細胞分裂では1つの細胞が2つの細胞に分裂しますが、初めに核が分裂し、続いて細胞質の分裂が起こります。細胞の分裂を時系列的に見ていく前に、まずは核分裂と細胞質分裂について簡単に解説していきますね。
核分裂とは?

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体細胞分裂の最初に起こるのが核分裂です。
核の中には生物の設計図となる遺伝子(DNAという物質からなる)が、染色体として格納されています。核分裂で起こる主なイベントは、この染色体の複製と分離です。1つの細胞が2つの細胞へと分裂していくため、分裂前には、一通りの染色体のセットが揃った核を2つ用意しておく必要があります。
細胞質分裂とは?

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次に細胞質分裂についての解説です。
核分裂を終えて、染色体の入った核2つを手に入れた細胞は、続いて2つへと分裂していきます。動物細胞の場合は、細胞の真ん中あたりがくびれてきて、最終的には、細胞膜が部分的に切断されることで2つの細胞へと分裂する一方、植物細胞の場合は、細胞の中心に細胞板と呼ばれる構造が出現し、それが細胞壁と融合することで細胞が2つに分けられるというわけです。この際、核分裂で2つになった核がそれぞれの細胞に分配されることに加え、その他の細胞小器官も複製されて分配されます。分裂後2つになったそれぞれの細胞のことを娘細胞と言いますね。
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