お前らは「衛星観測」と聞いて何を想像することができるか?人工衛星は、今では世界中で宇宙に打ち上げられており、何千個もの衛星が地球を回り続けている。ではこの衛星が一体どんなことをしているのか、何に役立っているのか気になると思う。

今回の記事は「衛星観測」という概念の詳細について国立大学院で修士号(農学)を取得しているライターふくろう博士と一緒に解説していきます。

ライター/ふくろう博士

国立理系大学院で修士号(農学)を修了後、現在では企業の研究職として働くかたわらで「理系科目の面白さ、楽しさ」を伝えるために活動中!自身のサイト『大学生活のすべてが学べるブログ』では農業土木に関する基本的な概念から、大学生活を快適に過ごす秘訣まで広い情報を発信している。

人工衛星とは?人工衛星の重要な役割について!

人工衛星とは、主に地球の軌道上に存在する人工的に作られた天体のことです。この人工衛星は、当然ただ地球の周りをまわっているわけではなく、私たちの生活に多くの情報を提供しています。

その1.人工衛星の種類

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人工衛星は、目的によって主に3種類に分けることができます。

放送衛星などはテレビなど全国に情報を伝える衛星です。GPS衛星は車のナビや携帯のマップなど自分や目的地の位置を知るのに役立ちます。そして、今回のテーマである地球観測衛星は海、陸、大気など地球の様子を宇宙から観測する衛星のことです。例えば、皆さんがテレビやニュースなどで見る気象情報も衛星の気象観測によって取得したデータをもとに伝えています。

人工衛星の形がそれぞれ違うのは、目的によって搭載するセンサなどの機器が違うからなんです。

\次のページで「その2.人工衛星の軌道」を解説!/

その2.人工衛星の軌道

人工衛星は一体どのように地球の周りをまわっているのでしょうか。実は人工衛星の軌道には種類があり、衛星の目的によって違います。

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静止軌道に打ち上げられた衛星は地球の自転と同じ向き、速度で飛行します。そのため地球から見ると静止しているように見えるのが特徴です。この軌道は、放送衛星や通信衛星、気象衛星など常時使用するのに適した軌道といえます。

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太陽同基準回帰軌道は、衛星と太陽の位置関係が常に同じ軌道になるように飛行する太陽同期軌道衛星が地球を一周するたびに観測する地域が少しずつずれていき、数日後に再び同じ場所の上空に戻ってくる準回帰軌道を合わせた軌道です。これにより、観測時の太陽の角度は常に同じになり、定期的に同じ地点を観測できるので地球観測衛星の軌道に採用されています。

衛星観測とは何か?

人工衛星に搭載されたセンサにより宇宙から地球等をモニタリングすることを衛星観測といいます。この衛星観測は、地球の問題を解決するのに大きく貢献しているのです。

ではこのセンサでどのように地球をモニタリングしているのか詳しく見ていきましょう。

その1.衛星観測の仕組み

その1.衛星観測の仕組み

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衛星観測は、リモートセンシング技術という遠くから対象に触れずに計測する技術を利用して観測します。これは人工衛星に搭載されているセンサが物体から反射、放射される電磁波を計測することで可能です。

ここでいう電磁波はいわゆる光の波長のことを言います。人もこの波長の大きさによって色を識別することができているのです。

\次のページで「その2.衛星観測の利点・欠点」を解説!/

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人工衛星と人の違うところは、人がとらえることができない電磁波も観測することができる点です。人は可視光線という380nm~780nmの波長域の光しか見ることができません。しかし、人工衛星は範囲外の近赤外、短波長赤外などの光を観測することができます。

その2.衛星観測の利点・欠点

衛星観測に使われているリモートセンシング技術ですが、実は衛星だけでなくドローンや航空機にも使われていますので当然センサを搭載すれば空から同じように観測することが可能になります。どんな利点があるかというと、広範囲を観測できる点です。人工衛星は宇宙から地球を観測しているので、ドローンや航空機よりもはるかに広い範囲を一度に観測することができます。欠点は、ドローン等と比較して分解能が大きく、細かいものを見るのに向いていないことと、衛星の観測は軌道によるため、その地点を観測したいときに撮影できない点です。

衛星観測の活用事例

最後に衛星観測でなにができるのか分野ごとに紹介していきます。

その1.防災分野

防災分野では、土砂崩れや洪水の被害予測に使用されたりしています。衛星画像で得られた等高線データから標高データを作成し、傾斜度や傾斜方向を算出することで、どこに土砂や水が流れ込んでくるのかを可視化することができるのです。これにより、住民の避難場所や避難地図の作成に役立ちます。

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その2.農業分野

植物は光合成の際に赤色波長を吸収し、近赤外波長を反射する特性があり、健康な植物ほど顕著に現れます。これが植物の分光反射特性です。この特性を利用し、赤色波長と近赤外波長をとらえた衛星画像から植物の成長具合を観測することができ、稲の生育のモニタリング等が可能になります。

その3.漁業分野

すべての物体はその温度に応じて電磁波を放射しています。それは海も同じで海面から放射される電磁波を感知することで海面温度を推定できるのです。魚は変温動物なので種類によって生きるのに適した水温があり、海面温度が分かれば捕りたい魚の群れを見つけやすいため、漁場の探索にとても役立ちます。

また、海洋の水色や水温から植物プランクトン濃度を把握し漁場の探索に使用可能です。魚は種によっては動物プランクトンを食べて生きており、その動物プランクトンも植物プランクトンを食べて生きています。なので、植物プランクトンが多いところは魚類も多く分布しているのです。植物プランクトンに含まれるクロロフィルaは、緑色の波長を反射するので衛星からその情報をとらえることができます。

宇宙からの観測が未来を変える

今回、人工衛星の種類から衛星観測で何ができるかを説明していきました。私たちが何気なく見ている景色や物質にはいろんな情報が含まれていたのです。衛星観測はそれらの情報をもとに防災や農業、漁業など様々な分野で活用しています。今も世界中で人工衛星をもっと多くの分野で活躍させようと研究が進められているでしょう。

ここで紹介したこと以外にもたくさん活用事例がございますので、皆さんも衛星観測でどんなことができるのか是非調べてみてください。

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地学宇宙理科

3分で簡単「衛星観測」衛星観測の役割や例を理系院卒ライターがわかりやすく解説

お前らは「衛星観測」と聞いて何を想像することができるか?人工衛星は、今では世界中で宇宙に打ち上げられており、何千個もの衛星が地球を回り続けている。ではこの衛星が一体どんなことをしているのか、何に役立っているのか気になると思う。

今回の記事は「衛星観測」という概念の詳細について国立大学院で修士号(農学)を取得しているライターふくろう博士と一緒に解説していきます。

ライター/ふくろう博士

国立理系大学院で修士号(農学)を修了後、現在では企業の研究職として働くかたわらで「理系科目の面白さ、楽しさ」を伝えるために活動中!自身のサイト『大学生活のすべてが学べるブログ』では農業土木に関する基本的な概念から、大学生活を快適に過ごす秘訣まで広い情報を発信している。

人工衛星とは?人工衛星の重要な役割について!

人工衛星とは、主に地球の軌道上に存在する人工的に作られた天体のことです。この人工衛星は、当然ただ地球の周りをまわっているわけではなく、私たちの生活に多くの情報を提供しています。

その1.人工衛星の種類

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人工衛星は、目的によって主に3種類に分けることができます。


  • 通信衛星、放送衛星:情報を伝える

  • GPS衛星:位置を測る

  • 地球観測衛星:地球を宇宙から観測する

放送衛星などはテレビなど全国に情報を伝える衛星です。GPS衛星は車のナビや携帯のマップなど自分や目的地の位置を知るのに役立ちます。そして、今回のテーマである地球観測衛星は海、陸、大気など地球の様子を宇宙から観測する衛星のことです。例えば、皆さんがテレビやニュースなどで見る気象情報も衛星の気象観測によって取得したデータをもとに伝えています。

人工衛星の形がそれぞれ違うのは、目的によって搭載するセンサなどの機器が違うからなんです。

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