お前らは「自然災害」と聞いて何を想像する?自然災害とは、自然現象により人命や社会に大きな被害が生じる現象をいい、一般的には、地震や台風、火山の噴火等が当てはまる。
今回の記事は「自然災害」という概念の詳細について国立大学院で修士号(農学)を取得ているライターふくろう博士と一緒に解説していきます。

ライター/ふくろう博士

国立理系大学院で修士号(農学)を修了後、現在では企業の研究職として働くかたわらで「理系科目の面白さ、楽しさ」を伝えるために活動中!自身のサイト『大学生活のすべてが学べるブログ』では農業土木に関する基本的な概念から、大学生活を快適に過ごす秘訣まで広い情報を発信している。

自然災害とはどんな災害?

災害とは、人命や社会生活に被害を生じる事態のことです。災害といっても種類は様々であり、火災や交通事故など人為的な要因によって生じる人為災害、化学物資や放射能物質の漏洩などの災害である特殊災害、そして自然現象によって生じる災害である自然災害があります。今回はこの自然災害に焦点を当てて、どんな災害があるか、どんな対策があるのか見ていきましょう。

その1.地震について

その1.地震について

image by Study-Z編集部

皆さんが何気なく過ごしていると、大きな揺れを感じることがあると思います。それが地震です。地震とは、大きな大地の揺れのことを言います。

地震の発生原因には、プレートテクトニクスという説が一般です。地球の表面はプレートという厚さ数十kmほどの数十枚の岩板で覆われており、このプレートは、地球内部を対流しているマントルというマグマの上に乗っているので、非常にゆっくりとしたスピードで水平移動しています。陸側のプレートと海側もプレートが互いにぶつかり合い、陸側のプレートを引きずり込まれ、元の状態に戻ろうとしたときに大きな力が生じ地震が発生するのです。

地震には震度という地震の揺れの強さを表す尺度があります。階級は、「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級です。当然震度が大きいほどその被害もひどくなり、建物の崩壊や落下物、津波などが発生し、交通機関や電気・ガス・水道の停止など、生活に大きな影響を与えます。

その2.火山噴火について

日本は世界的にも火山が多く、全国で約110山存在します。九州の桜島や世界遺産に登録された富士山も活火山の一種です。このように、火山が多い日本だからこそ被害も多く出ています。噴火とは地下深部に発生したマグマが地表に噴出する現象のことです。噴火のメカニズムを以下に示します。

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image by Study-Z編集部


  1. マグマは周辺の岩石よりも比重が軽い高温な液体なので、地表から5~20kmの場所まで上昇して、マグマ溜まりができる。

  2. マグマの中には水蒸気やガスなどが溶け込んでいるので上昇によって圧力が減り、膨張する。

  3. マグマが膨張すると、地表に出ようと火道を上昇するため、噴火が起こる。

火山が噴火すると、様々なものが同時に噴出し、噴石、火砕流、溶岩流、火山灰、火山ガス等の災害をもたらします。

その3.台風について

台風とは、豪雨や暴風をもたらす熱帯低気圧のことを言います。台風の目という空洞部分を中心に大きな渦を巻いているのが特徴ですね。台風発生の仕組みは以下の通りです。

image by Study-Z編集部


  1. 強い日差しにより暖められた海水が蒸発することで上昇気流が発生。

  2. 水蒸気が水粒になる際に非常に多くの熱を発生し、さらに上昇気流強まる。

  3. 何度も繰り返されるうちに大きな渦となり台風となる。

自然災害から生活を守る対策

このように自然災害には様々な種類があり、私たちに多くの被害をもたらします。しかし、だからと言って身を守るために何もしていないわけではありません。被害を最小限に抑えるために多くの対策が考えられています。

それでは、自然災害がもたらす被害を抑えるためにどんな対策を行っているのか見ていきましょう!

\次のページで「その1.ハード対策」を解説!/

その1.ハード対策

image by iStockphoto

ハード対策とは、構造物による被害の軽減手法のことを言います。ダムや堤防、耐震補強などがその例です。ダムは水をためることで水位が急激に上昇することを防ぐ効果があり、堤防は、河川や海の水が浸入しないように、耐震補強は地震等で建物が倒壊するのを防ぐために行います。

ハード対策は防災としての機能が高いのが特徴で、災害の際にかなりの効果が期待できます。その反面、多くの費用が必要なことやできるまでに長期間かかることが欠点です。そのため、対策を実施すべき危険箇所への工事が間に合わないといった問題が発生します。

その2.ソフト対策

Hazard Map of Mt.Fuji common l.jpg
By 富士山防災協議会 (the Mt.Fuji Volcano Disaster Management Conference); Miya.m uploaded under the permission of the Cabinet Office of the Japanese Government 発行・企画:富士山火山防災協議会 監修:富士山ハザードマップ検討委員会(委員長 荒巻重雄) 調査・制作:砂防・地すべり技術センター - 出典:富士山火山防災マップ (The volcanic hazard map of Mt.Fuji) released by 富士山防災協議会(Mt.Fuji disaster-reduction conference), CC BY 2.5, Link

ソフト対策とは、構造物に頼らない被害の軽減手法のことを言います。これだけでは何かわからないので例を挙げますと、皆さんが必ず学校でやっている防災訓練がソフト対策の一つです。その他には、ハザードマップという自然災害の被害を予測し、その範囲を地図化したものもあります。つまりソフト対策とは、防災教育や防災情報の発信などを行うことで住民たちの防災体制を強化し、災害の被害を減らす対策のことです。ソフト対策の効果は、ハード対策と比較して経済的被害までは防止できませんが、費用面や時間面のコストが安いメリットがあります。

ソフト対策はどれも住民の災害についての知識・認識を高め、災害時の行動を支援するものです。そのため地域住民が理解しやすいような情報発信を心掛けないといけません。

\次のページで「自然災害に負けない国へ!」を解説!/

自然災害に負けない国へ!

自然災害はどういった災害か、どんな対策があるか知っていただけたと思います。自然災害をなくすことはできず、この星で暮らしていくためには、必ず乗り越えていかなければならない障害です。今も多くの優秀な技術者たちが災害から守るために日々対策を練っており、災害から皆さんを守る準備を進めています。

そして、被害を減らすうえで一番重要なことは皆さんが自然災害について理解することです。災害が起きたらどうすればいいのか、どこに避難したらいいのかを知ることが被害を最小限に抑える一番の方法といえます。自然災害の種類や対策は、ここで紹介したこと以外にもまだたくさんあるので、是非調べてみてください。自分が住んでいるところではどんな対策をしているのかを知るのも面白いですよ。

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地学大気・海洋理科

3分で簡単「自然災害」どんな災害のこと?例は?対策は?理系院卒ライターがわかりやすく解説

その1.ハード対策

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ハード対策とは、構造物による被害の軽減手法のことを言います。ダムや堤防、耐震補強などがその例です。ダムは水をためることで水位が急激に上昇することを防ぐ効果があり、堤防は、河川や海の水が浸入しないように、耐震補強は地震等で建物が倒壊するのを防ぐために行います。

ハード対策は防災としての機能が高いのが特徴で、災害の際にかなりの効果が期待できます。その反面、多くの費用が必要なことやできるまでに長期間かかることが欠点です。そのため、対策を実施すべき危険箇所への工事が間に合わないといった問題が発生します。

その2.ソフト対策

Hazard Map of Mt.Fuji common l.jpg
By 富士山防災協議会 (the Mt.Fuji Volcano Disaster Management Conference); Miya.m uploaded under the permission of the Cabinet Office of the Japanese Government 発行・企画:富士山火山防災協議会 監修:富士山ハザードマップ検討委員会(委員長 荒巻重雄) 調査・制作:砂防・地すべり技術センター – 出典:富士山火山防災マップ (The volcanic hazard map of Mt.Fuji) released by 富士山防災協議会(Mt.Fuji disaster-reduction conference), CC BY 2.5, Link

ソフト対策とは、構造物に頼らない被害の軽減手法のことを言います。これだけでは何かわからないので例を挙げますと、皆さんが必ず学校でやっている防災訓練がソフト対策の一つです。その他には、ハザードマップという自然災害の被害を予測し、その範囲を地図化したものもあります。つまりソフト対策とは、防災教育や防災情報の発信などを行うことで住民たちの防災体制を強化し、災害の被害を減らす対策のことです。ソフト対策の効果は、ハード対策と比較して経済的被害までは防止できませんが、費用面や時間面のコストが安いメリットがあります。

ソフト対策はどれも住民の災害についての知識・認識を高め、災害時の行動を支援するものです。そのため地域住民が理解しやすいような情報発信を心掛けないといけません。

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