
「脱兎」の使い方・例文
「脱兎」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・人気イラストレーターがオリジナルキャラクターを作ってくれると発信したら、女性ファンたちが脱兎の如き勢いで押し寄せて管理が大変だったらしい。
・世界中で資源がなくなるという情報がSNSに投稿されて、限定販売の食料品に人々は脱兎の如き勢いで群がった。
・クリエイター同士で集まる会があったのだが、そのうち一人が無断転載をしていたことがわかって、そいつはバレた途端、脱兎の如く逃げ出した。
「動作が迅速であること」のイメージが伝わりますでしょうか。文章によっては、ただ素早いだけではなく勢いもあることが感じられるでしょう。
語源の項で記載した通り、この言葉自体には「逃げる」という意味は含まれていません。「あのスポーツ選手は脱兎の如き勢いで他の選手を追い抜いた」のように、単純に速さを表すのに使うことができます。
一方で、例文を探してみるとそのイメージからか、やはり「逃げる」という言葉とセットで使われているものも多くありました。読解問題で出題された場合、慌てて解釈するのではなく、何がどのように「脱兎」の如く動いているのかしっかりと読み取るようにしましょう。
「疾風迅雷」「電光石火」
「疾風迅雷」は「強い風と激しい雷のように、素早く激しいこと」。「電光石火」は「稲妻や火打石の火が閃くような瞬間、非常に素早い様子」を意味します。
これらは漢字が持つイメージからか、強くて勇ましい感じもありますね。「脱兎」と入れ替えて使うことも出来ますが、自分なりに適していると思う表現を選べるとなお良いでしょう。
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