今回の記事は「昆虫の定義」の詳細について国立大学院で修士号(農学)を取得ているライターふくろう博士と一緒に解説していきます。
ライター/ふくろう博士
国立理系大学院で修士号(農学)を修了後、現在では企業の研究職として働くかたわらで「理系科目の面白さ、楽しさ」を伝えるために活動中!自身のサイト『大学生活のすべてが学べるブログ』では農業土木に関する基本的な概念から、大学生活を快適に過ごす秘訣まで広い情報を発信している。
『昆虫』と『虫』は別の分類!
image by Study-Z編集部
『昆虫』と『虫』の違いって何でしょう?こういった質問について正しく答えられる人は案外少ないです。私は以前国立大学院修士課程に在籍していましたが、生物を直接触る機会が少ない『遺伝生物学』と呼ばれるような研究室に在籍していた学生などは一部答えられない人もいました。
このように、一般的に生き物に対して詳しいとされている農学系の大学院生でも知らない人はいるのです。とはいっても、小学校時代に一度習ったことのある「一般常識」であることに変わりありません。この記事の内容を熟読し、他人に教えられるレベルまでしっかりと理解しましょう!
それでは、昆虫と虫の代表例を分類していくので、自分の認識が正しいかどうか最初にチェックしてみましょう。
『昆虫』に分類される生き物
image by iStockphoto
昆虫とは、蝶や甲虫、カメムシやバッタ、トンなどの生き物が分類されます。次章で詳しく解説しますが、胸にあたる部分に羽を持ち6本の足を持ってることが特徴です。夏休みになると子供達が採集するカブトムシやクワガタなども分類されますね。昆虫の歴史は約4億年前から栄えている動物群の一つでもあり、恐竜を滅ぼした隕石衝突後も生き残ったしたたかな生き物です。
また、バッタやトンボのようにさなぎを経ずに成虫になる「不完全変態」と、蝶や甲虫全般のようにさなぎを経て成虫となる「完全変態」に細かく分類されます。さなぎの中で昆虫がどのように形態変化をしているかは未だ謎であり、現在も研究中の面白いテーマでもあるのです。
こちらの記事もおすすめ
5分で分かる昆虫の「変態」完全変態と不完全変態について理系院卒ライターがわかりやすく解説
『昆虫』ではない生き物
image by iStockphoto
昆虫と混同される虫には次のような生き物が該当します。ダンゴムシやムカデ、クモ、サソリ、ダニなどですね。これらの生き物に共通することは、人間に不快感を与える生き物ということでしょう。 害虫という言葉があるように、人間にとって不愉快な生き物を総称して虫と読んだ歴史があるのかもしれません。
ちなみに、外飼いのペットなどに寄生するノミは昆虫です。ダニとノミは同列に扱われることが多いですが、ノミは節足動物門昆虫綱ノミ目(隠翅目)、ダニは節足動物門鋏角亜門クモガタ綱のダニ亜綱に分類されます。分類学上はかなり遠い生き物であり、全く別の種類の生き物です。
こちらの記事もおすすめ
【生物】「節足動物」ってなんだ?現役講師がさくっとわかりやすく解説!
\次のページで「昆虫の定義とは?」を解説!/