「九十九髪」の使い方・例文
「九十九髪」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・お買い物のたびに配送や発送の手配で、店員さんが優しく対応してくれるから、この九十九髪だって悪いものじゃないのよ、とおばあちゃんはいつも素敵に笑う。
・僕の住んでいた地域では、店舗限定サービスとしてスーパーが、高齢女性限定で九十九髪ポイントカードというものを作ったが、すぐに消費者からのご意見で中止になった。
・落とし物を届けてくれた人の詳細がわからなかったが、ショップの人が覚えていた九十九髪で特定できて、後日お礼に行く予定だ。
「高齢の女性の白髪」を意味していることが伝わりますでしょうか。『伊勢物語』の由来からも、女性の髪に限定されていることもしっかり押さえましょう。高齢の人だからといって、男性に対して使われていた場合は間違いです。
参考までに、「白寿(はくじゅ)」という言葉をご存じでしょうか。「九十九歳」を意味し「百から一を引いて「白」」と、同じ発想から生まれたものです。年齢の言い換えは他にも「米寿(べいじゅ=八十八歳)」、「喜寿(きじゅ=七十七歳)」などなど、たくさんあります。どうしてその漢字が当てられているのか、調べてみてくださいね。
こうした表現はお祝いなどで使われることも多く、日本人の年齢に関する感性が窺えます。「九十九髪」という言葉も、そうした意識から生まれたのかもしれませんね。
「白髪三千丈」
「白髪三千丈」は、「長年の心配のために、髪が白くなって伸び放題になったこと」を表す表現です。
「九十九髪」とは違って、「長年の心配事があって」というところがポイントで、そのまま「心配や悲しみが積もる」ことを表すこともできます。この言葉を使う場合は、年齢に注目するよりも、悲哀の感情にウェイトが置かれることになるでしょう。
また、「そんなに悲しいなんて(言い過ぎだ)」ということから、「大げさすぎる」という批判として使うことも出来ます。それぞれの使い方を例文で確認してみてくださいね。
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