この記事では「鼻息が荒い」について解説する。

端的に言えば鼻息が荒いの意味は「意気込みが激しい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「鼻息が荒い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「鼻息が荒い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻息が荒い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「鼻息が荒い」です。正確な意味を把握してから、語源や使い方などの詳しいところまでチェックしていきますよ。

「鼻息が荒い」の意味は?

「鼻息が荒い」には、次のような意味があります。まずは、国語辞典で意味を確認してから、幅広い意味についても見ていきましょう。

1.意気込みが激しい。強気で威勢がよい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻息が荒い」

やる気に満ちあふれていたり、非常に自信があるようすのことです。さらに、本人は気がついていないながら、自然とまわりの人にはその意気込みの激しさが伝わるような状況を表しています。

モチベーションが上がっていると、声のトーンが上がったり、話すスピードが上がったりと、人により特徴が出てきますが、その一つが呼吸が速くなることなどによる「鼻息が荒い」ということですね。

実際に鼻息が荒くなっているのかどうかは、相手によほど近い位置にいるか、鼻の下に手を当てるなどしない限りわからないはずです。しかし、もしかしたら昔はパーソナルスペースが小さくて人と人の距離が近かったために、実際に鼻息が荒くなっていることを感じたのかもしれませんね。

「鼻息が荒い」の使い方・例文

「鼻息が荒い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「鼻息が荒い」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.このほど自由が丘にできたホテルは、ブライダルはもちろんヘッドスパなどのビューティーサロンや骨盤矯正などの整体のサービスを取り入れるなど鼻息が荒い。
2.彼は医師として治療にあたるほか、各自での予防や対処の必要性を鼻息を荒くして訴えている。

二つの例文は会社と個人の違いはありますが、ともに積極的な姿勢が周りに伝わっているようすを表したものです

例文1.では、ホテルとしてのみ利用するイメージを取り払って、人気のサービスを取り入れるなど新しいスタイルへの可能性に向けて積極的にチャレンジしているようすが伺えます。

例文の2.のほうは、医療に関しても情報が取りやすくなっている時代にあって、個人で解決したり注意したりすることができる幅は広がっていることが伝わる文です。一般に医療の知識が広まると、医師に相談するにも効率的になりますね。

「鼻息が荒い」の類義語は?違いは?

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それでは、「鼻息が荒い」の類義語についての説明です。強気で威勢がよいという意味合いに関連する表現について、一緒に詳しく見ていきましょう。

「意気盛ん」

「鼻息が荒い」の類義語には、「意気盛ん(いきさかん)」があります。意味は、何かをなそうと積極的な気持ちになっているようすのことです。「意気」とは気概やあふれる元気のことで、そういったことが盛んであるという意味になります。

特別になにかの出来事について意欲があるという場合に限定する表現ではなく、継続的であったり日常的にあふれる元気が感じられる場合にも使うことができますよ。

「血が騒ぐ」

もう一つの類義語には、「血が騒ぐ(ちがさわぐ)」があります。気持ちが高ぶり、じっとしていられなくなるような状況であるという意味です。「血」は血液そのもののことや血縁関係のことを表すほか、人の感情や思いやりを表すこともあります。

感情を表す「血」が騒ぐということなので、じっとしていられないような、また、何かに向けて心がおどるような意味合いにつながりますよ。そして、そのようすが周囲にも伝わるほどであるということです。

\次のページで「「鼻息が荒い」の対義語は?」を解説!/

「鼻息が荒い」の対義語は?

次に、「鼻息が荒い」の対義語についての説明です。積極的な姿勢が伝わることの対義語なので、消極的な意味合いの表現について見ていきましょう。

「逃げ腰になる」

「鼻息が荒い」の対義語には、「逃げ腰になる(にげごしになる)」があります。意味は、すぐにでも逃げ出しそうなようすのことや簡単に責任を逃れようとする態度のことを表す慣用句です。不安や恐怖などから逃れようとする場合にも使われますし、自分の利益を考えて逃れようとする場合もあります。

その時点で形勢が完全に不利であるとか、すでにどうしようもなくなっているのではなく、まだ努力の余地がある段階で逃げようとするニュアンスで使われることもがありますよ。

「弱音を吐く」

もう一つの対義語には、「弱音を吐く(よわねをはく)」があります。弱気なことや意気地のないことを言うという意味です。「弱音」は力のない物言いや意気地のない言葉のことなので、そういった言葉を口に出すことによって、周りに消極的な姿勢が伝わるという結果になります。

「弱音を吐く」は、何かに向けて取り組む前なのか途中なのかに関わらず使われる表現です。よく似た表現に「音を上げる(ねをあげる)」もありますが、こちらはやれるとこまでやった上で限界であるという場合によく使われます。

「鼻息が荒い」の英訳は?

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最後に、「鼻息が荒い」の英訳についての説明です。言語の違いはありますが、クセや態度がわかるような表現方法を見ていきましょう。

「a willing manner」

「鼻息が荒い」の英訳には、「a willing manner」があります。直訳すると「意欲的な態度」です。自発的な意味合いのある「willing」と様子や態度を表す「manner」を使っています。

その他、意欲的な意味合いがある「ambitious」を使うこともできますが、これだけだとその人のもともとの性質を表すように受け取られることもあるので、「behavior(振る舞い)」と組み合わせて平常ではなく今の状況に限ってという意味が伝わるようにするといいですね。

\次のページで「「鼻息が荒い」を使いこなそう」を解説!/

「鼻息が荒い」を使いこなそう

今回の記事では「鼻息が荒い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「鼻息が荒い」の基本の意味は、意気込みが激しいことや強気で威勢がよいことです。よい意味か悪い意味かどちらということもありませんが、意気込みの激しさが鼻につく場合に使われることはあります。そのため、意気込みが激しいことをいい意味でとらえた場合は使うのは避けたほうがよさそうですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「鼻息が荒い」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

「鼻息が荒い」を使いこなそう

今回の記事では「鼻息が荒い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「鼻息が荒い」の基本の意味は、意気込みが激しいことや強気で威勢がよいことです。よい意味か悪い意味かどちらということもありませんが、意気込みの激しさが鼻につく場合に使われることはあります。そのため、意気込みが激しいことをいい意味でとらえた場合は使うのは避けたほうがよさそうですね。

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