
簡単でわかりやすい!方位磁石はなぜ北を向く?仕組みや地球の構造を理系大学院卒ライターが詳しく解説
北極はS極かN極か
地球を大きな磁石と考えると、地磁気を発生させていることがわかりました。では、地球のS極とN極はどこになるのでしょうか。
地球のS極は北極点、N極は南極点です。地球は地軸に沿って自転しています。地軸は北極点と南極点を結ぶ直線です。この直線を大きな磁石と考えてみましょう。地軸に沿って地磁気が発生しています。地磁気はN極から出て、S極に向かう方向です。また、方位磁石はN極が北を向きます。N極はS極にひかれることを考えると、北極点がS極です。
そのため、地球は北極点をS極、南極点をN極とする大きな磁石と考えることができます。
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真北と磁北の違いは
U.S. Geological Survey (USGS) http://www.usgs.gov/ – http://geomag.usgs.gov/products/movies/index.php?type=declination&format=gif, パブリック・ドメイン, リンクによる
では、方位磁石のさしている北は真北なのでしょうか。磁石がさす北は磁北といい、地図における北である真北とは異なります。この磁北と真北のずれを偏角が偏角です。偏角は場所や時間で異なります。例えば、札幌では西に約9°、那覇では西に約5°です。このように、法磁石が指し示す北である磁北と地図上の北にはずれが生じています。
方位磁石は狂うのか?

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方位磁石は簡単に狂います。なぜなら、方位磁石は作成時に磁化させN極とS極の方向付けをしているためです。そのため、より強い磁石を近づけると磁性が反転してしまい、南北が逆転することがあります。
狂った方位磁石の直し方

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では、狂った方位磁石を直すことはできるのでしょうか。強力な磁石を用いれば直すことは可能です。やり方は磁石を近づけその磁石を方位磁針の上をするようにして反対側まで移動させます。こうすることで磁極を反転させることが可能です。ただし、2度3度同じことをすると狂ったり直ったりと収拾がつかなくなるのでやめましょう。
狂った方位磁石は水平にはならない
狂った方位磁石は水平にはなりません。日本付近の地磁気はN極が水平より下に向いているからです。これを伏角といい緯度によって異なります。
その理由は地磁気の磁力線の向きです。赤道付近では、地磁気の磁力線は水平に向いています。その一方で北半球では地面の中を進む向きになっているからです。そのため、方位磁石は針が斜め下を向かないようにS極を重くし水平になるようにしています。
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