
簡単でわかりやすい!方位磁石はなぜ北を向く?仕組みや地球の構造を理系大学院卒ライターが詳しく解説
地球も巨大な磁石

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方位磁針が北を向く理由は、地球上ではほぼ北向きの磁場が発生しているからです。地球は大きな磁石と考えることができます。そのため、地磁気と呼ばれる大きな磁場が地球全体で発生しているのです。これにより、理科の実験のように方位磁針は北を向きます。では、なぜ地球にはこのように大きな磁場が発生しているのでしょうか?
なぜ地球は大きな磁石なのか
地球が大きな磁石であると考えられる理由は、地球の内部にある外核に起因した地磁気が発生しているためです。地球の内部構造は、地殻、マントル、核か構成されています。近くは表層から5-40kmの範囲、マントルは表層から40kmから約2900kmの範囲です。地球の表層から深さ2900km以上は、中心核という鉄とニッケルを主な成分とする金属でできています。深さ2900kmから5150kmまでの部分は外核、5150kmから6360kmは内核です。内核は固体、外核は溶けた液体になっています。外核は電流を流しやすいです。そのため、電流が流れると磁界が発生し、それが地表まで届きます。
外核が磁界を発生させる理論はダイナモ理論です。特に地球のコア部分で生じている特殊な発電の仕組みは、自励ダイナモと呼ばれます。地球が自転することにより、外核の液体が内部流動を起こし大規模な磁界を発生させているのです。
磁界は必ずN極から発生し、S極に向かわなければなりません。つまり、理科の実験のような磁力線が発生しています。これにより、地球は大きな磁石であると見立てることができるのです。
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