物理理科電磁気学・光学・天文学

3分で簡単「ファラデーの電気分解の法則」電気分解とは?実用例は?理系大学院卒ライターがわかりやすく解説

今日は「ファラデーの電気分解の法則」について勉強していこう。
電気分解は産業界にとて大切な分解手法です。今回は、その内容から実用例まで理系大学院卒ライターこーじと一緒に解説していきます。

ライター/こーじ

元理系大学院卒。小さい頃から機械いじりが好きで、機械系を仕事にしたいと大学で工学部を専攻した。卒業後はメーカーで研究開発職に従事。
物理が苦手な人に、答案の答えではわからないおもしろさを伝える。

ファラデーの電気分解の法則とは

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ファラデーの電気分解の法則は2つの法則から構成されています。1つ目は、電極で変化するイオンの物質量は流れた電気量に比例する。2つ目は1molの物質を析出させるのに必要な電気量は、物質の価数に反比例する。ここで価数とはイオンの電荷の数です。例えば、水素イオンなら価数は+1、硫酸イオンなら価数は-2になります。

電子1個の電気量は1.6×10-9C、それに1molの物質量6.0×1023を乗じて電子1molの電気量はー96500(C / mol)です。また、この電気量を発見者のファラデーにちなんでファラデー定数(F)とも言います。この関係をもとに化学反応式からそれぞれの法則を見ていきましょう。

電気量と物質量の関係

では、一つ目の法則について説明していきます。
一つ目の法則は「電極で変化するイオンの物質量は流れた電気量に比例する」です。水の電気分解の例題に考えていきます。

水の電気分解の化学反応式
2H++ 2e → H2
2H2O → 4H++ O2 + 4e

陰極の化学反応式を考えると、電子2molが流れると水素が1mol発生する。また、電子量が倍になると水素の発生量も倍になる。これが、ファラデーの電気分解の法則の第1の法則です。

では、2つ目の法則について説明していきます。2つ目の法則は「1molの物質を析出させるのに必要な電気量は、物質の価数に反比例する」です。価数が1と2の物質の化学反応式を比べてみましょう。

単体金属での反応式
Ag+ + e → Ag
Cu → Cu2+ + 2e

電気量1molを与えたと仮定しそれぞれの発生量を計算してみましょう。価数1のAgは、1molの電子量で1molのAg反応し、価数2のCuでは1molの電子量で0.5molのCuが反応します。つまり、同じ電気量を与えても原子の価数だけ反比例し生成物が発生するのです。

電気分解とは

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電気分解は、電気エネルギーを利用し化学反応を起こすことです。分解したい対象物質を溶解させた溶液(電解液)に電圧をかけて電流を流すことで、化合物に対して陽極側で酸化反応、陰極側で還元反応を引き起こします。

ここで、電池の化学反応を考えてみましょう。電池は電極と電解質の間で酸化還元反応が起き、この化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置です。一方、電気分解は電流を流すことで、酸化還元反応を起こしています。つまり、電池と電気分解のエネルギーの受け渡しは正反対の仕組みによるものです。

電気分解の構成要素は、電極、電源、電解槽となり電源から電極に電流を流し電解槽内の溶液を分解します。電極の物質は、用途に合わせて様々です。電極の正極、負極ではそれぞれ化学反応が起こっています。この反応に合わせた電極を選択することが重要です。

\次のページで「電極での化学反応」を解説!/

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