この記事では「融点・沸点」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

沸点や融点のはなしは簡単そうに聞こえるが、化学の分野ではかなり重要な内容です。水やエタノール、そして赤ワインの温度変化を通して、しっかり学習しよう。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数13万回の授業をもとにまとめています。

また、こちらの動画の内容もふくまれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

状態変化と温度の関係を学ぼう!

とある男さんが発信する、中学校一年生向け理科の動画シリーズ。今回紹介する動画の一つ前までは、物質の状態変化について学んでいました。

今回お届けする内容は、”状態変化と温度”の関係です。「状態変化というものがよくわからない」という人は、以前の動画を見て復習しておくのをおすすめします。

水とエタノールの温度と状態

水とエタノールの温度と状態

image by Study-Z編集部

水と温度の変化

氷(=固体の状態である)を加熱していくと、0℃でとけ始めて、液体の水になります。さらに加熱し続けると、100℃で沸騰(ふっとう)!ビーカーや夜間の底からぼこぼこと気泡がみられるようになります。

\次のページで「エタノールと温度の変化」を解説!/

エタノールと温度の変化

物質が変わると、とけ始める温度や沸騰する温度も変わります。消毒などにも使われるエタノールの場合を見てみましょう。

実際に実験してみるのがいいですが、実験の際には注意しなくてはならないことがあります。エタノールはとても引火しやすい物質のため、直接加熱してはいけません。エタノールの入った試験管などを、水の入った別のビーカーにいれ、お湯で湯せんするようにしてあたためていきます。

なお、加熱するときには急な沸騰を防ぐため沸騰石(ふっとうせき)を入れておきましょう。

エタノールは常温で液体の状態。加熱すると78℃で沸騰しはじめるのです。

融点と沸点

固体がとけて液体に変わるときの温度を融点(ゆうてん)といいます。氷であれば、0℃が融点だったということになりますね。

そして、液体が沸騰するときの温度を沸点(ふってん)といいます。水の場合は100℃、エタノールの場合は78℃でした。

なお、融点や沸点は物質の量には関係なく、物質の種類によって決まっています

小さなコップに入った水も、大きなお風呂にたまった水も、沸騰する温度は100℃。お風呂の一杯の水の方が沸騰させるまでに時間がかかりますが、それは沸点がより高いからではなく、たくさんの水を温めなくてはならないからなんですね。

温度によって状態がわかる

同じ空間に水と水銀が存在しているとしましょう。その空間が何℃であるかがわかると、水や水銀の状態も予想することができます

たとえば、その空間が153℃のとき。水は沸点(100℃)を超えているので、すべて沸騰して気体になっていると考えられます。一方、水銀にとっては沸点(357℃)に達していない温度ですので、液体の状態で存在していると予想ができるのです。

\次のページで「赤ワインの温度と状態」を解説!/

image by Study-Z編集部

では、-15℃ではどうでしょうか?水にとっては融点(0℃)よりも低い温度ですので、固体(氷)の状態で存在しているはずですが、水銀は融点(-39℃)に達していないので、固体であると考えられます。

赤ワインの温度と状態

水やエタノールを加熱し温度を変化させたように、赤ワインを加熱する実験を見てみましょう。

この実験では普通のフラスコではなく、上部に枝分かれのあるフラスコを使います。

image by Study-Z編集部

枝別れした先にはガラス管を接続し、別の試験管の中に入れます。試験管は水にしずめ、フラスコから出てきた蒸気が試験管の中で冷やされるようにセットしましょう。蒸気が冷やされると、液体となってここにたまっていきます。

注意点の一つ目は、フラスコに差す温度計の位置です。温度計の場所はちょうど枝分かれしている部分になるよう設置します。「出てくる蒸気の温度をはかるため」です。

2つ目の注意点は、枝分かれの先につけたガラス管の位置。ガラス管は試験管の中に入っていますが、試験管中に液体がたまったときには、先端がその中に入らないようにしましょう。その理由は「たまった液体が逆流しないようにするため」です。

赤ワインを加熱した結果

この実験で赤ワインを熱すると、2種類の液体が試験管にでてきます。においのあるエタノールと、においのない水です。

\次のページで「 赤ワインの温度変化のグラフ」を解説!/

エタノールは沸点が低いので、水よりも先に沸騰し、どんどん蒸気になってでてきます。エタノールがすべて赤ワインの中からなくなると、次第に水が沸騰し、今度は気体の水(水蒸気)が得られるのです。

赤ワインの温度変化のグラフ

赤ワインの温度変化のグラフは、すこし変わった形になります。加熱を始めると温度がなだらかに上がって、70℃後半の部分でやや水平に近くなり、その後また温度が上がって100℃ほどでまた水平になるようなグラフです。

70~80℃くらいの温度の時は、エタノールが蒸発しています。エタノールが蒸発すると、フラスコの中には水が多く残り、さらに加熱すると100℃で水が沸騰するのです。

つまり、フラスコの上部にある温度計(上記の温度をはかっている)を見ておけば、「今何が沸騰して蒸気となっているか」がわかり、試験管にたまっていく液体の正体も予想できることになります。

そのとおり!水だけやエタノールだけのような”純粋な物質”を加熱したときと、赤ワインのような”混合物”を加熱したときでは、グラフの形が違ってくるんです。

今回の実験のように、混合物の液体を沸騰させて出てくる気体を冷やし、再び液体にすることで取り出す作業を蒸留(じょうりゅう)といいます。

image by Study-Z編集部

赤ワインからは、蒸留によってエタノールと水を分けて取り出すことができました。なぜこのようなことができるのかと質問されれば、「水とエタノールに沸点の違いがあるから」と説明できます。同じ温度で沸騰する物質だったら、同時に試験管に出てきてしまうからです。

混合物の温度変化に気を付けよう!

融点や沸点という言葉を覚えるのは、それほど難しくないはずです。しかし、赤ワインのような混合物を加熱したときの温度変化には注意が必要になります。「いくつかの純粋な物質が混ざっているため、融点や沸点を一か所に決めることができない」というのが最大のポイント!グラフの見方や説明の仕方をしっかりと身につけておきましょう。

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1分でわかる「融点」「沸点」の違い!登録者数95万人人気講師がわかりやすく解説

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では、-15℃ではどうでしょうか?水にとっては融点(0℃)よりも低い温度ですので、固体(氷)の状態で存在しているはずですが、水銀は融点(-39℃)に達していないので、固体であると考えられます。

赤ワインの温度と状態

水やエタノールを加熱し温度を変化させたように、赤ワインを加熱する実験を見てみましょう。

この実験では普通のフラスコではなく、上部に枝分かれのあるフラスコを使います。

image by Study-Z編集部

枝別れした先にはガラス管を接続し、別の試験管の中に入れます。試験管は水にしずめ、フラスコから出てきた蒸気が試験管の中で冷やされるようにセットしましょう。蒸気が冷やされると、液体となってここにたまっていきます。

注意点の一つ目は、フラスコに差す温度計の位置です。温度計の場所はちょうど枝分かれしている部分になるよう設置します。「出てくる蒸気の温度をはかるため」です。

2つ目の注意点は、枝分かれの先につけたガラス管の位置。ガラス管は試験管の中に入っていますが、試験管中に液体がたまったときには、先端がその中に入らないようにしましょう。その理由は「たまった液体が逆流しないようにするため」です。

赤ワインを加熱した結果

この実験で赤ワインを熱すると、2種類の液体が試験管にでてきます。においのあるエタノールと、においのない水です。

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