5分で分かる「循環器系」血液とリンパ液の流れを東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説
循環器系とは、その呼び名の通り、からだの中での体液の循環経路のことです。
今回は、血液とリンパ液の2種類の体液の循環について、東大生物学科卒で人体に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。
ライター/AEON2
東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。
循環器系とは?
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今回は、「循環器系」について解説していきます。循環器系には、血液の循環とリンパ液の循環の2種類がありますので、今回はそれぞれのしくみや違いに注目しながら見ていきましょう。
血液の循環器系
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まず最初に、血液の循環器系について解説します。今回は、主にヒトの循環器系について解説し、比較として他の生物の循環器系にも触れていきながら進めたいと思います。他の生物生物の種類によっては循環器系が異なる場合もありますので、興味がある方は自分で調べてみてくださいね。
循環の始まりは心臓から
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血液が流れる管のことを血管と言うことは皆さんご存知だと思いますが、一連の血管の構造をまとめて血管系と呼ぶことは知らない方が多いのではないでしょうか。この血管系における血液の循環で重要になるのが心臓です。
心臓は、血管系の一部に筋肉(心筋)が集合して形成される臓器で、この心臓がポンプのように動くことで、全身をめぐる血液の流れが生み出されています。すなわち、血管系の始まりは心臓が収縮することで生まれる心拍であると言ってもいいでしょう。
ヒトを含む哺乳類および鳥類の心臓は2心房2心室という構造を取っていますが、これにより、血液中のガス交換の効率が増加しています(ガス交換とは、肺において酸素と二酸化炭素を交換する機能のことです)。これが爬虫類や両生類だと1心房2心室、魚類だと1心房1心室となり、心房や心室の数が減るにつれてガス交換の効率は下がっていきます。
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解放血管系と閉鎖血管系とは?
次は、血管系の構造の違いに着目して、2種類の分類について見ていきましょう。
1つ目は、全ての血管が繋がっていて、体内に血液が漏れ出さない構造を持つ血管系です。この血管系のことを閉鎖血管系と呼び、主に脊椎動物がこの循環経路を持っています。閉鎖血管系の構造は、心臓→動脈→毛細血管→静脈→心臓という経路を取ることが一般的です。体内の各組織との栄養素や老廃物の交換は、毛細血管の壁を通して行われます。
2つ目は、部分的に血管の先端が開いており、体内に血液が染み出すことが可能となっている血管系です。これを解放血管系と呼び、節足動物や軟体動物がこの循環経路を利用しています。体組織との栄養素や老廃物の交換は、この染み出した血液と組織の間で直接に行われる点が、閉鎖血管系と異なる点ですね。
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閉鎖血管系について詳しく知ろう
今回の解説では、ヒトを含む脊椎動物に見られる、閉鎖血管系についてさらに踏み込んで見ていきましょう。
心臓から全身を巡る血液の循環の始まりは、心臓の左心室が強く収縮することで起こります。
左心室の拍動により押し出された血液は、大動脈へと流れ込み、強い圧力(血圧)がかかった状態を維持しながら全身へ運ばれるというわけです。動脈はこの強い圧力と血液の拍出量に耐えるために、3層の構造からなる血管壁を持っており、それにより強度と弾力性を併せ持つ構造となっていることも知っておきましょう(動脈に異常があると高血圧や血行障害が起こります)。
動脈は体の中で末梢部分に差し掛かると、続いて毛細血管に接続します。毛細血管は非常に細い血管で、これが各組織の隅々まで伸びることで、動脈を流れてきた酸素や栄養素を組織へ届けると同時に、組織で不要になった老廃物や二酸化炭素を回収することができるというわけです。
老廃物や二酸化炭素を吸収した血液は、続いて静脈を流れて心臓へと戻っていきますが、静脈には動脈ほどの強い圧力がかかっていないため、血液(血流)が逆流しやすくなっています。この血液の逆流を防ぐために、静脈には弁という構造があり、血液が一方向にしか流れないようになっているというわけです。静脈は心臓へとたどり着くと、右心房という構造から心臓内に流れ込み、続いて右心室を経由して肺へと接続します。
肺の中では、酸素量の低下した血液に新たに酸素が取り込まれるのと同時に、不要になった二酸化炭素の放出が行われ、その後、血液は心臓の左心房から心臓内に再び流れ込み、左心室から全身へと送られていくのです。
以上が、閉鎖血管系の一連の流れとなります。
リンパ液の循環系
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続いては、もう一つの循環系であるリンパ系(リンパ液の循環)について解説します。血管系との間にどのような違いがあるか、比較しながら見ていくと良いでしょう。
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