熱力学物理理科

5分でわかる「熱平衡状態」温度計、過熱、過冷却の原理は?現役プラントエンジニアが分かりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「熱平衡状態」について解説していくぞ。熱平衡という単語が出てくるのは、高校物理の教科書だと思う。高校物理での概念が基本として、大学では熱力学、伝熱工学と応用されていくぞ。今回の記事では、熱平衡の原理と熱力学第0法則、その応用の温度計、過熱と過冷却の原理と応用を解説した。熱力学、伝熱工学を勉強する方には興味深い内容になっているので、是非読んでみてくれ。
大学では熱流体工学関係の研究し、プラント関係で設計を行っているアヤコと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/アヤコ

現役のプラントエンジニア。大学では熱流体分野の研究を行い、就職後もプラントエンジニアとして流体に関係する仕事を行っている。流体力学は多くの人が難しいと思い毛嫌いする分野の半面、身の回りの現象は多い。楽しく理解できるよう解説していく。

熱平衡とは

image by iStockphoto

平衡と言う単語は、化学平衡、電離平衡など使われますが、つり合いがとれた状態を意味します。つまり熱平衡とは、熱がつり合っている状態であり、エネルギーのやりとりが発生していない状態です。例えば、空気中に置かれたコップに温かい水が入っていることを想像してください。これを放置すると、温かい水がやがて常温になり、それ以上温度変化がない熱平衡状態になるのです。

また、温かい物質と冷たい物質をお互いにエネルギーのやりとりができるように接します。充分時間が経過した後はある温度になり、エネルギーのやりとりのない、熱平衡状態になるのです。ただし、最終的に平衡になる温度が中間の温度とは限りません。それは接する物質の比熱や密度によって平衡になる温度が変わってくるからになります。

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熱力学では、熱量保存側や、熱力学第1法則(物体に与えた熱量は、内部エネルギーと仕事の和に等しい)などを使い計算するが、途中時間の変化は考慮せず、熱平衡の状態と考えて温度や圧力、サイクルなどを計算する。一方、伝熱工学では平衡になるまでの時間や場所での温度変化を熱伝導方程式で計算するんだ。主に熱流体シミュレーションで計算する温度や圧力分布は主に伝熱工学での数式を使用するぞ。

熱力学第0法則について

熱力学第0法則について

image by Study-Z編集部

熱力学第0法則状態Aと状態C状態Bと状態Cがそれぞれ熱平衡の関係にあるならば、状態Aと状態Bも熱平衡の関係にあるです。
例えば上図のように、温度60度の水Aと温度30度の水Bを同量、同熱容量、完全に断熱する水槽に入り、それらはバルブで連結されており、バルブは閉になっております。まずはバルブを開き、十分な時間が経過し、水槽Aの温度と温度計Cの温度が同じ温度45度の平衡になると仮定するのです。また水槽Bの温度と温度計Cの温度も同じ温度45度になり平衡になったとします。その場合熱力学第0法則より水槽Aと温度計Cが平衡であり、水槽Bと温度計Cが平衡となるので、水槽Aと水槽Bも平衡になるということです。ここで温度計が登場したのですが、温度計においては熱平衡が重要になります。

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