アルビノの特徴
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アルビノは生まれつきメラニンという色素をもっていないので、弱視などの視力障害をともなっていることが多いです。そのため、屋外での活動に制限があります。紫外線を吸収するメラニンという色素が欠乏しているので、他の人より日光をまぶしく感じますよ。普通、日光に当たり、日焼け程度で済むことろが、皮膚が真っ赤に腫れやけど状態になり、皮膚がんにかかるリスクも上がるのです。
見た目としては、肌は乳白色で、血液が透けて薄紅色に見え、目も毛細血管が透けて赤く見えます。体が白くて目立つので敵にねらわれやすいこと、紫外線からのダメージを大きく受けることなど、野生の中で生き抜くことは他の個体よりもハード。なので、人工飼育にしても他の個体よりは難しいのですよ。
アルビノにまつわる話
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そんな珍しい白色のアルビノの個体は昔から神聖な動物として扱われていました。シロヘビなどがその例ですね。
ヒトでもアルビノは昔から特別な存在として扱われていました。アフリカでは、その見た目の珍しさから、権力や幸福、健康を得るための薬の原料として殺害されているとのことです。これは俗にアルビノ狩りと言われています。残忍で悲しいことが今でもアフリカ東部では起きているのですよ。
アルビノの遺伝情報と形質発現
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アルビノ個体は、遺伝子の変異によって発現すると上記で述べましたが、遺伝子から形質がどのようにして発現するのか簡潔に説明しますね。まず、遺伝子DNAに書き込まれた遺伝暗号がRNAという物質へ写され(転写)、RNAに写された遺伝暗号(塩基配列)がアミノ酸の配列に読み替えられてタンパク質が合成される(翻訳)という順番で進みます。このことを、セントラルドグマといいますよ。
形質発現のためのタンパク質合成のためにRNAが使われます。RNAは働きによって、伝達RNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)がありますよ。mRNAは、DNAの塩基配列を写し取り、タンパク質合成のアミノ酸配列の順序を伝達します。tRNAは、活性アミノ酸をリボソーム上へ運搬しますよ。mRNAは、タンパク質合成の場所ですよ。アミノ酸は形質発現のためのタンパク質を合成するのに必要不可欠ですね。
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酵素タンパク質による形質発現
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できるタンパク質が酵素の場合には、その働きで物質代謝が行われ、特定の生成物が出来てそれによって形質発現します。1945年にアメリカのビードルとテイタムは、アカパンカビの突然変異株を用いて実験を行い、1つの遺伝子は1つの酵素合成を支配するという一遺伝子一酵素説を立てました。この学説は、ヒトのいくつかの遺伝病の原因解明に応用されてきました。
酵素だけでなく、生体を構成する様々なタンパク質も遺伝子から合成されている点を考慮し、1つの遺伝子は1種類のポリペプチド鎖の構造を決定するとした一遺伝子ポリペプチド説も後に提唱されました。
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