地学岩石・鉱物理科

「苦鉄質鉱物」とは?ある条件下でしかできない鉱物を地球科学系大学院卒が5分でわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。今日は苦鉄質鉱物について解説するぞ。
苦鉄質鉱物という言葉を聞いたことがあるだろうか?実は地球内部のマグマが冷えて固まるときにいろいろな種類の鉱物が結晶化するわけだが、鉱物が結晶化するメカニズムはとても複雑らしいんだ。そこで鉱物が結晶化するとき、ある条件を満たすと苦鉄質鉱物ができるんだ。今回は苦鉄質鉱物の出来方や種類、どんな場所で見られるかなどを詳しく見ていこう。

では地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/オリビン

地球科学専攻で博士前期課程を修了した岩石大好き人間。趣味も岩石・鉱物採集なので集められた岩石が家中に転がっている。

苦鉄質鉱物を学ぶ前に

image by iStockphoto

苦鉄質鉱物について解説する前に、まずは鉱物とは何なのかを説明しましょう。鉱物とは自然界にできる結晶のことで、石英(せきえい)やトルマリン、赤鉄鉱など多くの種類が存在しています。鉱物は構成している元素・硬さ・割れ方・結晶の形などによっても仲間分けされ、地学の中ではとても奥深いです。

岩石というのは決められた種類の鉱物から構成されており、このような鉱物たちを造岩鉱物と呼んでいます。造岩鉱物は主に6種類あり、地球上の岩石の9割以上を構成することから主要造岩鉱物とも呼ばれているそうですよ。殆どの岩石がたった6種類の鉱物から構成されているなんて驚きますよね。これらの割合は岩石を分類するときの決め手にもなるので、岩石を見つけた時は顕微鏡や化学分析によって何の鉱物で出来ているのかを同定しなければなりません。また、岩石はこちらの6種類の鉱物以外にもその他の微量な鉱物が含まれることもあり、このような鉱物を副成分鉱物と呼んでいます。

主要造岩鉱物とは

主要造岩鉱物とは、主にかんらん石・輝石・角閃石・黒雲母・石英・斜長石・カリ長石を指すことが多いです。いくつか聞いたことはありますか?主要造岩鉱物は色がついているかいないかで有色鉱物と無色鉱物に分けられます

無色鉱物というのは主に石英・斜長石・カリ長石のことです。よく珪長(けいちょう)質な岩石に含まれています。これらを薄くスライスしてスライドガラスに貼り付けた状態(薄片)で偏光顕微鏡という特殊な顕微鏡で観察するとモノクロに見えるんですよ。もう少し詳しく説明すると、偏光顕微鏡には偏光板を2枚重ねたときに見える状態(クロスニコル)と偏光板が1枚だけの状態(オープンニコル)の2通りの見方ができる機能があるのですが、クロスニコルの状態でモノクロに見えるものが無色鉱物です。

逆に、有色鉱物はクロスニコルで様々な色が付いてに見えます。偏光顕微鏡で観察しなくても肉眼で色がついていることは観察できますよ。今回のテーマになっている苦鉄質鉱物とはこの有色鉱物の仲間のことです。

有色鉱物とは

有色鉱物とは

image by Study-Z編集部

有色鉱物は石英の主成分であるケイ素の量が少なく、代わりに鉄(Fe)やマグネシウム(Mg)といった金属元素が多く含まれています。金属元素が鉱物中に取り込まれることで様々な色の変化をもたらしているのです。

有色鉱物にはかんらん石・輝石・角閃石・黒雲母などがあり、これらの鉱物は玄武岩やはんれい岩という岩石に多く含まれています。どちらの岩石も見た目は黒っぽい色です。

下に有色鉱物と無色鉱物についてまとめました。

無色鉱物石英・斜長石・カリ長石など無色~白色のもの。主にケイ素やアルミニウム、ナトリウムに富んでいる。花こう岩や流紋(りゅうもん)岩に多く含まれる。

有色鉱物かんらん石・輝石・角閃石・黒雲母などの色がついている鉱物のこと。ケイ素の含有量は少なく、鉄やマグネシウムに富んでいる。玄武(げんぶ)岩やはんれい岩に多く含まれる。

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ここまでで苦鉄質鉱物とは鉄やマグネシウムを多く含む色のついた鉱物であることがわかったな。なんだかもっと苦鉄質鉱物について知りたくなったぞ。

苦鉄質鉱物にはどんな種類があるのだろうか?また、それぞれの鉱物はでき方に違いはあるのだろうか?引き続き解説していくぞ!

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