
その5:鍵層について

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地層を対比するには示準化石を利用するほか、時代のわかっている特徴ある地層である鍵層を使う場合もあります。
とくにもっとも新しい地質時代である第四紀の地層では、火山灰が使われることが多いようです。たとえば、約4万年前の支笏火山の火山灰は北海道各地の新しい地層に挟まれており、4万年前を示す鍵層として有名な地層になります。ちなみに、この噴火のカルデラ跡が現在の支笏湖です。

堆積岩が層になったものが地層だ。地層の性質や化石を使うことによって、地球全体の地層の順番を調べて、時代を特定することができるぞ。
地層や岩石の相互関係

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層序学は層序区分ができる地層に関わる分野ですが、岩石には堆積岩のほかにマグマ活動による火成岩や変成作用による変成岩も存在します。地層や岩石の野外での産出状況や相互関係、つまり整合・不整合・断層・貫入などを産状というのです。基本的な産状について紹介してみましょう。
その1:整合と不整合
火山灰が陸上に降り積もる場合は地形面にそってほぼ平行に堆積しますが、砕層物が水中で堆積する時は、一般的にほぼ水平に堆積します。その堆積速度はいろいろですが、おおむね時間的に連続して堆積しているのです。
このように上下の地層が連続的に堆積しているとき、両者は整合となります。一方、上下の地層の間に非常に長い時間的間隙があるときは、上下の地層は不整合です。そして、両者の境界面は不整合面となります。
その2:不整合ができる理由
地層の欠如はたまたまその間その地域で堆積が無かったことによる場合もありますが、一般的には、その間その地域が堆積場つまり海域ではなく浸食場、陸域であったことを示しています。
不整合上下の地層はともにほぼ平行に堆積していることもありますが、一般には下位の地層はより傾斜したり、褶曲したりしていて、上位の若い地層と平行でないことが多いようです。不整合の存在は、その地域が海域→隆起運動→陸域→沈降運動→海域と変化したことを示しており、地層欠如の大きな傾斜不整合は大規模な上昇・陸化、すなわち地殻変動の証拠であると考えられます。上記の画像は、褶曲の画像です。
その3:貫入と断層
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野外露頭において、地層や岩石が切ったり、切られたりして脈状になっている様子が観察できることがあります。これを貫入といいます。また、地層に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じている状態が断層です。