地層という言葉は聞いたことがある人も多いでしょう。地層は地球の歴史を知るのには欠かせないものです。地層について学んでみよう。
今回は物理学科出身のライター・トオルと解説していきます。
ライター/トオル
物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。
地層と堆積岩
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地層とは簡単に言えば堆積岩が層になったもののことです。
また、堆積岩とは、既存の岩石が、風化・浸食されてできた礫・砂・泥、または火山灰や生物遺骸などの堆積物が、海底・湖底などの水底または地表に堆積し、それらが固結して岩石になったものになります。地表面に色々なものが集まってできるのが堆積岩ですので、それを分析することにより地表面に何があったか推測できるのです。
その1:地層の成因
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堆積岩は地球の歴史アーカイブであり、地球史の時間目盛りとなります。砕屑物は一般に水中でゆっくり流されながら重力のもとで沈積し、最終的には海底などに水平に堆積し、比較的均質な砕屑物からなる地層(単層)を作るのです。ちなみに、最初は水平に堆積することを初源水平の法則といいます。単層と単層の境界面が層理面です。沈降中に淘汰作用が働き、粒度の違いによって層状に堆積することが多くなります。上記の画像は、アルゼンチンにある地層です。
その2:層序と層序区分
一般に、層状に積み重なった一連の堆積岩は、上位の地層は下位の地層よりも新しいという時間の概念を示しており、それらの分布の広がりには限りがあります。このように、分布の時空間的概念を含む堆積岩が地層です。
地層の積み重なりの順序を層序といいます。積み重なった地層を、岩石としての性質や含まれている化石などをもとにまとめて、いくつかの単位に分割することが層序区分です。異なる地域の地層の同時代性を決めて、あちこちの地域の層序区分を統合すると、広域的な層序区分を作ることができ、さらに地球規模の層序区分を作成することができます。
その3:地層累重の法則
層序区分や地層対比を行い、広域的に地史を組み立てるには、地層累重の法則と化石による地層同定の法則がその基礎になっています。地層累重の法則とは、一覧の地層において上位の地層は下位の地層よりも新しいという原理で、17世紀中頃にデンマークのステノが提唱し、19世紀初めに地質学の父といわれるイギリスのスミスがこの法則を確立しました。
その4:化石による地層同定の法則
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スミスは土木技師としての経験から、遠く離れた地域の地層どうしをその岩質だけで対比することは困難であることを知り、ある地層にのみ含まれその上下の地層には産出しない特定の化石、つまり、示準化石や標準化石を利用して地層を対比する方法を見出しました。これを化石による地層同定の法則といいます。
この二つの原理により、地層を広域的に対比して地層の時空的相互関係を捉えることができるようになり、地層の形成順序を編む層序学が誕生しました。上記の画像は、アメリカのグランド・ステアケースの地層図です。
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