今回は、高校生物で学ぶ細胞小器官を紹介しつつ、それらの持つ役割について、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。
ライター/AEON2
東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。
細胞小器官とは?
image by iStockphoto
生物の体は、細胞単体もしくは、その細胞が無数に結合することによりできています。さらにその細胞の中には細胞小器官と呼ばれる構造が複数あり、これらが機能することで生命が維持されるというわけです。それでは、細胞小器官にどのようなものがあるかを見ていきましょう。
こちらの記事もおすすめ
細胞小器官のひとつ「アミロプラスト」とは?重力にも関係あり?現役講師がかんたんわかりやすく解説!
1.細胞壁:細胞の周りを取り囲み細胞を丈夫にする
image by iStockphoto
まずは細胞壁について紹介します。
細胞壁は植物や菌類、細菌が持つ細胞小器官で、その主な役割は、細胞の周りを取り囲むことで細胞を丈夫にすることです。植物の細胞壁はセルロースと呼ばれる物質がその大部分を占めていますが、このセルロースが構造的に丈夫であるため、細胞壁も強固な作りとなっています。細胞全体をガードする役割を持っていますが、その分、細胞どうしの柔軟な連結は失ってしまうようです。
大きく育った樹木などは、この細胞壁がリグニンという物質でさらに強固に変化させられています。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単!菌類と細菌類の違いとは?特徴や構造も医学系研究アシスタントがわかりやすく解説
2.細胞膜:全ての生物が有している細胞小器官
image by iStockphoto
続いては細胞膜です。
細胞膜は、全ての生物が有している細胞小器官で、その機能は細胞の内部と外部を隔てることにあります。細胞膜がなければ、細胞の中身が外へ漏れ出してしまい、細胞の形態や機能を維持することができなくなってしまいますね。
通常、細胞膜はリン脂質二重層という膜構造の所々にタンパク質が埋まったような形をしています。細胞それぞれは細胞膜で仕切られることで独立していますが、細胞膜に埋まったタンパク質を介して物質を交換することで、細胞どうしの間でシグナルを伝達することができるというわけです。
\次のページで「3.核:細胞のほぼ中心に位置する」を解説!/