5分で分かる「動脈」と「静脈」血液はどのように全身に運ばれる?毛細血管って?東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説
人間の身体には多くの血液が存在してるが、それがどのような仕組みで全身に運ばれているかを知っているでしょうか。
今回は、血流の循環に重要な、動脈と静脈に毛細血管を加えた3種の血管について、東大生物学科卒で人体の構造に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。
ライター/AEON2
東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。
動脈とは?
image by iStockphoto
まず初めに動脈についてです。
今回は、動脈の持つ機能(はたらき)と、動脈内部に流れる動脈血とは何かについて簡単に解説します。
後半で解説する静脈や毛細血管とはどのような違いがあるかについて、よく理解できると良いでしょう。
動脈の機能
image by iStockphoto
動脈の機能は、心臓から押し出された血液を全身へ送り届けることです。
肺で酸素をたっぷりと取り込んだ血液は、心臓の左心房と呼ばれる部位に流れ込み、その後、左心室と呼ばれる部位からポンプの作用で押し出されます。この時、血液には強い圧力(血圧)がかかるため、動脈はそれに耐えるために柔軟性と伸長性に富む構造からできているのです。具体的には、内膜・中膜・外膜という3層の構造からなり、これにより、静脈や毛細血管にはない力づよさとしなやかさを手に入れています。
動脈は末梢に近づくほど細くなりますが、それにつれて太い部分の持っていた力強さは失われ、平滑筋(筋肉の一種で、内臓の壁を構成します)によって構成される部分が増えていくことも知っておきましょう。抹消まで達した動脈は、毛細血管を経由して静脈へと繋がっています。
動脈血について
動脈に流れている血液のことを動脈血と呼び、これに対して静脈に流れている血液は静脈血と言います。
動脈血の特徴は、肺で供給された酸素を豊富に含むことです。血液中には様々な栄養・ホルモンに加えて酸素と二酸化炭素が含まれていますが、この中の酸素と二酸化炭素の割合が、動脈血と静脈血では異なります。動脈は全身の細胞に酸素を運ぶ役割を持っているため、主として動脈血がその内部には流れていることを覚えておくと良いでしょう。
通常、イラスト等では、動脈が赤く書かれ、静脈が青く書かれることが多いですが、これは酸素を多く含む動脈血は鮮やかな赤色に見えることが由来です。
動脈は、心臓から送られる血液の強い圧力に耐えるために、弾力性と収縮性に富む構造をしていました。そしてその機能は、全身の組織へ酸素や栄養素のたくさん含まれた血液を運ぶことでした。
\次のページで「静脈とは?」を解説!/