
「穴があったら入りたい」の使い方を例文とともに確認!

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続いて、「穴があったら入りたい」の使い方を例文とともに確認していきましょう。
「穴があったら入りたい」は、自分の失敗や失言が原因で恥ずかしくなった場合にのみ原則使用します。一方で誰かに褒めちぎられて恥ずかしくなってしまった場合にはあまり使用しません。また、誰かに馬鹿にされたり貶められたりした場合のように、自分に直接の原因がなく、謂れもなく恥をかかされたような場合にも使用は不可能です。
あくまで、恥ずかしくなった原因は「自分の失敗や失言が原因」ということは前提として頭に入れておきましょう。
1.昨日の卒業式で校長先生の名前を間違えてしまって、穴があったら入りたくなってしまったよ。校長は爆笑してたから余計にね。
2.大事な商談で相手方の怒りを買ってしまった。穴があったら入りたいし、会社に戻りたくないな。
3.2アウトなのにスタンドにボールを投げてしまった。穴があったら入りたい…。
例文は3つとも、自身の失敗や失言によって、その場にいづらくなるほどの恥ずかしさを感じたことが「穴があったら入りたい」によって表現されています。卒業式で校長先生の名前を言い間違えたら恥ずかしくてたまらないでしょうし、大事な商談で相手方の怒りを買って失敗したら、恥ずかしくて会社に帰りたくなくなって当然でしょう。
例文3は野球の例ですが、アウトカウントを間違えて、2アウトなのにファンのいるスタンドにボールを投げ入れてしまう選手がたまに現れますね。ピンチが広がり、相手に点が入ることもあるので、その場から去りたいほど恥ずかしくなるでしょう。
「穴があったら入りたい」の類義語は?
続いて、「穴があったら入りたい」の類義語を確認していきましょう。「穴があったら入りたい」の類義語は「慙愧に堪えない」「忸怩たる思い」「身の置き所がない」の3つです。意味や「穴があったら入りたい」との比較を行っていきます。
「慙愧に堪えない」:自分の行いを深く恥ずかしく思う
「慙愧に堪えない(ざんきにたえない)」は「自分の行いを深く恥ずかしく思う」という意味の表現です。「慙愧(ざんき)」という単語はあまり見聞きしないものですが、「恥じ入ること」という意味を表します。
「とても恥ずかしく思う」というニュアンスは「穴があったら入りたい」と同じですが、「慙愧に堪えない」は現代語では堅い表現であり、公的な文書で使用されることが中心です。「穴があったら入りたい」は話し言葉として使用されることが多いので、この点が違いですね。
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