この記事では「旅は道連れ 世は情け」について解説する。

端的に言えば旅は道連れ 世は情けの意味は「世を渡るには互いに情けをかけることが大切である。」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「旅は道連れ 世は情け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「旅は道連れ 世は情け」の意味や語源・使い方まとめ

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「旅は道連れ 世は情け」ということわざは、普段使われる事が多いです。ただ、なんとなく「思いやりが大切」といった理由で認識をしている方も少なくありません。

ここではまず、「旅は道連れ 世は情け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「旅は道連れ 世は情け」の意味は?

「旅は道連れ 世は情け(たびはみちづれ よはなさけ)」には、次のような意味があります。

1.旅では道連れのあることが心強く、同じように世を渡るには互いに情けをかけることが大切である。

出典:goo辞典「旅は道連れ 世は情け」

「旅は道連れ 世は情け」とは、『旅では同伴者がいると心強いのと同じように、世の中を渡る時には思いやりが大切』という意味です。

ここで、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

1.住んでいる所を離れて、よその土地を訪ねること。旅行
2.自宅を離れて臨時に他所にいること。

出典:goo辞典「旅(たび)」

1.連れ立って行くこと。同行。また、その人。同行者。
2.一緒に行動させること。同じ道をとらせること。

出典:goo辞典「道連れ(みちづれ)」

1.人の一生。生涯。また、寿命。年齢。
2.一人の支配者、または一つの系統・政体に属する支配者が政権を維持している期間。時代。
3.人が互いにかかわりあって生きていく場。世の中。社会。世間。

出典:goo辞典「世(よ)」

1.人間味のある心。他人をいたわる心。人情。情愛。思いやり。
2.男女の情愛。恋情。また、情事。いろごと。
3.風情。おもむき。あじわい。
3.ののあわれを知る心。風雅を解する心。風流心。

出典:goo辞典「情け(なさけ)」

自分がよく知らない土地に行く旅では、不安な事も多いものです。現代では、インターネットで情報を得る事が可能ですが、昔は情報を手に入れる事も大変でした。そのため、道連れとなる同伴者がいると、とても心強かったのです。

旅と同じように、人生は人情や思いやりを感じると、安心したり心強く感じられたりします。そのため、人生という旅では助け合いも大切であると表していることわざなのです。

\次のページで「「旅は道連れ 世は情け」の語源は?」を解説!/

「旅は道連れ 世は情け」の語源は?

次に「旅は道連れ 世は情け」の語源を確認しておきましょう。

語源は、江戸時代に浅井了意が書いた『東海道名所記(とうかいどうめいしょき)』と考えられています。江戸時代には旅をするために必要な情報を手に入れるのも一苦労だったため、一人旅はとても難しかったのです。

現代では、交通手段も発達して電車やバスが利用できますが、江戸時代は徒歩しかなかったため、一人では問題が山積みでした。そのため、旅は一人ではなく、同伴者がいた方が良いと考えられて、「旅は道連れ 世は情け」という言葉が誕生したのです。

「旅は道連れ 世は情け」の使い方・例文

「旅は道連れ 世は情け」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

【旅先で使えるパターン(出会った人に対して)】

1.旅は道連れ世は情けと言いますから、夕食一緒にどうでしょうか?
2.旅は道連れ世は情け。出会えたのも何かの縁ですから、目的地までご一緒しませんか?

【日常生活で使えるパターン】

1.「旅は道連れ 世は情け」と言うだろ。困った時はお互い様だよ。
2.「旅は道連れ 世は情け」というように、これから妻と助け合って暮らしていこうと思う。

「旅は道連れ 世は情け」は、語源となっている旅先でも使えますし、日常生活においても活用できます。

旅先では、「ここで出会えたのも何かの縁」と考える場合が多いです。そして、ご飯や一緒に向かう事を誘う際に用いられます。

また、旅先ではなく日常生活でも使えることわざです。この時には、「人生は助け合いが大切だ」という意味が強調され、「助け合おう」という意味で用いられます。

人との縁を大切にしたり、助け合ったりする際にぴったりの表現です。

「旅は道連れ 世は情け」の類義語は?違いは?

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「旅は道連れ 世は情け」の類義語には、以下のようなものがあります。

1.一蓮托生(いちれんたくしょう)
2.運命共同体(うんめいきょうどうたい)
3.旅は心 世は情け(たびはこころ よはなさけ)
4.旅は情け 人は心(たびはなさけ ひとはこころ)
5.旅は道連れ 浮き世は情け (たびはみちづれ うきよは情け)

3から5については、「旅は道連れ 世は情け」とよく似た表現ですね。少し間違えるとことわざではなくなってしまうので、正しい表現を覚えましょう。

今回は、「一蓮托生」について見ていきます。

「一蓮托生」

「一蓮托生」とは、次のような意味があります。

1.仏語。死後、極楽の同じ蓮華の上に生まれること。
2.結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること。

出典:goo辞典「一蓮托生」

「一蓮托生」には、2つ意味がありますが、「旅は道連れ世は情け」の類義語としては2つ目の意味が当てはまります。

「結果にかかわらず、行動や運命を共にする」という意味です。行動を共にするという意味では、同じですね。しかし、一蓮托生には「結果にかかわらず」という意味が含まれるため、「旅は道連れ世は情け」とは異なります。また、「旅は道連れ世は情け」は助け合いが大切という意味で使われますが、一蓮托生にはそこまでのニュアンスを踏んでいません。

具体的には、「生きるも死ぬも一蓮托生だ」といったように使われます。

「旅は道連れ 世は情け」の対義語は?

「旅は道連れ 世は情け」の対義語としては、以下の3つが挙げられます。

1.孤軍奮闘(こぐんふんとう)
2.独りよがり(ひとりよがり)
3.天涯孤独(てんがいこどく)

ここでは、「独りよがり」について見ていきましょう。

\次のページで「「独りよがり」」を解説!/

「独りよがり」

「独りよがり」とは、誰の意見も聞かずに自分の意見を貫くという意味です。また、自己中心的な考えというニュアンスも含まれています。

誰かと助け合う「旅は道連れ世は情け」とは反対に、一人で行動する事を意味する表現です。

具体的には、「彼はいつも独りよがりだ。」といったように使えます。

「旅は道連れ 世は情け」の英訳は?

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「旅は道連れ 世は情け」ということわざがあるように、英語にも同じような意味を表すことわざのようなフレーズがあります。

よく使われるフレーズ3選

「旅は道連れ世は情け」と同じ意味で使われるフレーズを、3つ紹介していきます。

1.When shared, joy is doubled and sorrow halved.
意味「共有すると、喜びは倍になり、悲しみは半分になる」

2.No road is long with good company.
意味「良い仲間となら、長い道のりはない」

3.It's important for us to care for each other as we pass through our life.
意味「人生を過ごす際には、お互いに思いやることは重要だ」

1つ目は、感情について述べたものです。多少意味は異なりますが、良いことも悪いことも共有できる相手がいると、心強いという状況を表してます。

2つ目は、旅について述べたフレーズです。仲の良い友人や仲間との旅は、とても楽しいものであり、長い道のりも長く感じないという意味になっています。つまり、旅は1人よりも仲間がいた方が良いという事を表現しているのです。

3つ目のフレーズは、「人生において思いやりは大切だ」という意味になります。「旅は道連れ世は情け」の意味を、そのまま訳した表現ですね。

「旅は道連れ 世は情け」を使いこなそう

この記事では「旅は道連れ 世は情け」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「旅は道連れ 世は情け」は、助け合いが大切という意味のことわざです。日常生活だけでなく、語源となった旅先でも使う事ができます。ぜひ意味や使い方を覚えて、普段の会話に取り入れてみてください。

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【慣用句】「旅は道連れ 世は情け」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「旅は道連れ 世は情け」について解説する。

端的に言えば旅は道連れ 世は情けの意味は「世を渡るには互いに情けをかけることが大切である。」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「旅は道連れ 世は情け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「旅は道連れ 世は情け」の意味や語源・使い方まとめ

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「旅は道連れ 世は情け」ということわざは、普段使われる事が多いです。ただ、なんとなく「思いやりが大切」といった理由で認識をしている方も少なくありません。

ここではまず、「旅は道連れ 世は情け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「旅は道連れ 世は情け」の意味は?

「旅は道連れ 世は情け(たびはみちづれ よはなさけ)」には、次のような意味があります。

1.旅では道連れのあることが心強く、同じように世を渡るには互いに情けをかけることが大切である。

出典:goo辞典「旅は道連れ 世は情け」

「旅は道連れ 世は情け」とは、『旅では同伴者がいると心強いのと同じように、世の中を渡る時には思いやりが大切』という意味です。

ここで、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

1.住んでいる所を離れて、よその土地を訪ねること。旅行
2.自宅を離れて臨時に他所にいること。

出典:goo辞典「旅(たび)」

1.連れ立って行くこと。同行。また、その人。同行者。
2.一緒に行動させること。同じ道をとらせること。

出典:goo辞典「道連れ(みちづれ)」

1.人の一生。生涯。また、寿命。年齢。
2.一人の支配者、または一つの系統・政体に属する支配者が政権を維持している期間。時代。
3.人が互いにかかわりあって生きていく場。世の中。社会。世間。

出典:goo辞典「世(よ)」

1.人間味のある心。他人をいたわる心。人情。情愛。思いやり。
2.男女の情愛。恋情。また、情事。いろごと。
3.風情。おもむき。あじわい。
3.ののあわれを知る心。風雅を解する心。風流心。

出典:goo辞典「情け(なさけ)」

自分がよく知らない土地に行く旅では、不安な事も多いものです。現代では、インターネットで情報を得る事が可能ですが、昔は情報を手に入れる事も大変でした。そのため、道連れとなる同伴者がいると、とても心強かったのです。

旅と同じように、人生は人情や思いやりを感じると、安心したり心強く感じられたりします。そのため、人生という旅では助け合いも大切であると表していることわざなのです。

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