5分で分かる「筋組織」種類や特徴は?骨格筋・心筋・平滑筋とは?東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説
筋組織は大きく分けて骨格筋、心筋、平滑筋、の3種からなる。
高校生物で学習するそれぞれの特徴や機能を踏まえながら理解することで、それらの筋組織の共通点や違いを把握できるようになるのが今回の目標です。
東大生物学科卒で筋肉に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。
ライター/AEON2
東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。
筋組織にはどのような種類がある?〜骨格筋・心筋・平滑筋〜
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筋組織(筋肉・筋線維)と聞くと、まず初めに連想するのが鍛え上げられた肉体の写真や画像ではないかと思われます。この鍛え上げられた肉体を構成するのは「骨格筋」と呼ばれる筋組織ですが、筋組織には他にも「心筋」と「平滑筋」が存在することをご存知ですか。
これら3種の筋組織それぞれの特徴や機能を比較しながら、筋肉について理解を深めましょう。
骨格筋について
まずは、筋肉と聞いたときに誰もが一番に想像すると思われる骨格筋について解説していきます。
骨格筋の特徴
骨格筋は、顕微鏡で見たときに、組織が縞状に見える横紋筋から構成されるのが特徴です。この横紋筋は、後に紹介する平滑筋と比べて、迅速に強力な力を発揮できるという性質を持っています。
また、骨格筋は自分の意思で動かすことができる(肘を曲げたり伸ばしたりなど)随意筋です。骨格筋は運動神経(体性神経)によって制御を受けていますが、これが他の筋組織との特徴的な違いであり、それにより自分の意思での自由な運動(収縮や弛緩)が可能となります。
骨格筋の機能
骨格筋の機能は、大きく分けて、関節の曲げ伸ばしと体熱生産の2つです。
私たちが体を動かす際には、いくつもの骨格筋が協調して収縮したり伸長したりすることで、関節の曲げ伸ばしが行われています。骨格筋は基本的には骨に付着しており、それゆえに、名称に「骨格」というワードが含まれるというわけです。
骨格筋は更に、熱を生み出す機能(体熱生産)も持っています。私たちの体温が、平熱である35度から37度の間に保たれているのは、骨格筋がエネルギーを消費しながら熱を生み出しているためなのです。
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