端的に言えば、虫酸が走るの意味は「胸がむかむかするほど不快」です。大まかな意味はわかるでしょうが、ネガティブな意味を持つ言葉だから、どのようなシチュエーションで使われるかを理解して正しく使えるようにしよう。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「虫酸が走る」の意味をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。
ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「虫酸が走る」の意味
まず、国語辞典で意味をチェックしましょう。「むしずがはしる」の「むしず」は、漢字では「虫酸」とも「虫唾」とも書きます。今回引用した辞書では「虫唾」で掲載されていました。
1.腹がへって、むしずが口の中に逆流する。
2.口中にむしずが出て、吐き気を催す。多く、ひどく忌み嫌うたとえにいう。
出典:日本国語大辞典精選版「虫唾が走る」
胸がむかむかするほど不快である。
出典:デジタル大辞泉「虫唾が走る」
「むしず」とは、胃から口のほうに上がってくる酸っぱい液体のことです。液体の正体は、胃から逆流する胃液(胃酸)。逆流性食道炎などの病気でみられる症状で、酸っぱい感じや、のどの違和感がとても不快です。
最初の意味は「酸っぱい液体が胃から口のほうに逆流すること」、2番目の意味は酸っぱい液体が逆流する不快感から転じて、ひどく忌み嫌うことのたとえになり「胸がむかむかするほど不快」という意味になりました。
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「虫酸が走る」の使い方
次は例文を使って「虫酸が走る」の使い方を見ていきましょう。
1.その通販の公式サイトは、扱っているグルメや家電などの各種商品情報だけでなく、最新のライフスタイルをテーマにしたメールマガジンも読みごたえがあったが、編集者には最低賃金以下の賃金しか支払われていなかった。同業者として虫酸が走る思いだ。
2.私は文字のサイズを変えて快適に読める電子書籍で雑誌を読むが、父は書店に足を運んで最新号を手に取るのを何より楽しみにしており、ちゃんと見たこともないくせに「電子書籍なんて虫酸が走る」などと言っている。
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